東亜電気工業株式会社 様(ワークフロー編)
ワークフローによる業務標準化と決裁スピードアップを実現!
社内規程がなく書式もバラバラ、データは個人PCの中に・・・。
最も重要な業務の1つ、見積書作成がこれではマズい。
そこでワークフローを用いて見積を一元化する《見積システム》を実施。
これが利益率の安定化に貢献した!
東亜電気工業様がPOWER EGGを選ばれた理由の1つ、それはワークフロー機能が充実している点にあります。そこで同社では、積年の課題であった「見積の全社標準化」を実現するために、POWER EGG導入の翌年から、ワークフロー機能を用いた見積統制に着手されました。
《見積システム》導入検討の背景・選択のポイント
《見積システム》導入検討の背景
同社ではPOWER EGG導入以前、最も重要な業務の1つである見積書作成に関してとくに明文化された社内規程もなく、所属長の決裁があればOKという形で、事実上営業所単位のローカルルールに任せた野放し状態だった。つまり月次のトータル利益は管理するものの、案件ごとの利益管理は現場任せ・・・。しかし、環境ISOや品質9001を取得するに際して内部整理をしたところ、このまま放置していては利益の安定化が見込めないどころか、顧客からの信頼確保も難しいという判断になった。
POWER EGG導入以前、すでにカーボン複写の手書き見積書作成からPCを使った作成への移行は進んでいました。しかし、担当それぞれが自分の使いやすいソフトでカスタマイズ作製した見積書だったため、書式フォームはバラバラ、明文化された規程もなかったので見積仕様(見積項目)も不統一。しかも、見積データは個人のPCに収納されたままという状態だった。用にはそぐわない。やはり統合ポータルが必要である。
これでは様々な不都合が出る。
- 担当が違えば見積書式も異なり、顧客は戸惑う。
- 見積情報が共有されないから、営業所毎に見積内容が異なる。
- 担当のPCの中にデータがあるだけだから、担当がいないと顧客からの見積確認に誰も答えられない。
- 決裁ルールが曖昧だから、薄利販売でも歯止めできない。
- 見積履歴が無いので、担当交代の場合引き継ぎが難しい。
- 引き合いから受注までの経過が追えず、受注確度が掴めない。
その結果、顧客毎の月次トータルのドンブリ勘定に陥りがちで、しかも 案件毎の利益安定化も期待できない。何らかの方法による見積統制の必要が生じていたのだ。
POWER EGG選択のポイント
- 1)ワークフローとエスカレーション機能
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そこで同社が実施したのが、ワークフローによる見積統制である。見積書に予め設定された粗利益率によって決められた承認フローで、必要な決裁者に回されるという仕組みだ。つまり粗利益率が良い場合は直属グループ長決裁、少し低い場合は支店長・所長決裁になり、もっと低い場合は本部長決裁、というように承認フローが決まって来る。
エスカレーション機能を活かして各決裁段階で判断され、当然差戻しもある。これにより粗利益率低下に対する歯止めがかけられる。
見積総額による承認ルールも適用されている。一定額以上の大口取引の場合は、利益率が良くても所属長の決裁が必要になる。
つまり粗利益率や見積総額によって、決裁すべき立場の人に、決裁すべき案件の見積だけが回るから、上席者の承認業務も捗る。
- 2)見積データのデータベース化
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POWER EGG上にデータが一元管理されているので、見積の履歴管理もOK。しかも枝番管理されるので、引き合い時からの見積変化もきちんと追える。
また上席者は、部下の見積一覧をいつでも閲覧できる。だから、上席者による見積案件内容のチェックもシビアになり、不正や薄利販売、誤見積も防げる。客先訪問頻度が高いにもかかわらず見積書があまり作成されていない場合は営業活動内容をヒアリングしたり、上席者による同行営業を行うなど営業指導も的確になる。
導入前の課題とPOWER EGGによる解決
1)見積フォームの不統一を見直し見積統制を実現
導入前の課題
- 見積書フォームが担当によってバラバラ。
- 見積仕様(見積項目)や見積内容もマチマチ。
- 各営業所単位の動きという実態で全社的統一が不徹底。
- バラバラの見積書により顧客からの信頼を損なう。
- 案件毎の粗利益率が低くても歯止めがきかない。
POWER EGGによる解決
- 見積ルールや見積項目が全社一元化された。
- 作成された見積書は、必ず適正な承認ルートを回る。
- 然るべき決裁者に、然るべき決裁案件が確実に回る。
- 見積内容の統制が実現する。
2)見積の履歴管理により営業経緯を的確に把握
導入前の課題
- 見積書が個人PCの中にあり情報共有できない。
- 担当が異なると見積も異なる。
- 同じ担当でも以前自分が作った見積がわからなくなる。
- 担当交代時に取引経過が引き継げない。
POWER EGGによる解決
- POWER EGGで作成された見積書は、 POWER EGG上にデータが一元管理されているので、見積データの履歴管理ができる。
- 引き合い時からの取引状況変化の経緯がわかる。
- 見積データが人に紐付かず、案件に紐付く。
システムの内容/特色/運用ポイント
- 1.「承認フロー」に即したシステム
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然るべき見積案件が然るべきルートで、然るべき承認者にプッシュ型で回り、適切に決裁される。内容によっては差戻しもあるので、ドンブリ勘定や薄利営業に歯止めがかかる。
- 2.「見積フォーム・見積仕様」の統一
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POWER EGGで作成された見積書は、全社的に統一されたフォームで作成され社内の承認ルートを回る。見積項目・見積単価の統制も利く。顧客指定専用フォームによる見積書作成の場合も、社内承認はPOWER EGGの見積フォームで行う。新規取引の場合、口頭伝達やメール伝達の見積は厳禁で必ずPOWER EGGの《見積システム》を使う。
- 3.見積データの履歴管理
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POWER EGGに保存されたデータは、 POWER EGG上にデータが一元管理されているので、 見積履歴が追え、参照活用もできる。枝番管理された見積書で、引き合い経緯も把握できる。
POWER EGGの導入効果
・経営者様のご評価
『利益率安定化に貢献する!』
薄利販売だと本部長承認案件になり、事細かく追求されるので担当者は粗利益確保の工夫をする。だから利益率安定化につながる。ドンブリ勘定や赤字販売への抑止効果があり、案件毎にきちんと利益確保に努めるから営業担当の取り組み姿勢も変わって来た。上席管理職による決裁業務も的確になり、顧客からの信頼向上につながっている。不正や見積金額ミスなどの防止効果もある。
・利用者様のご評価
『承認ルートに悩まない!』
『枝番管理がされるので、引き合い経緯もわかる!』
『決裁処理がスムーズ』
見積書の承認に際してどのルートで回すか、悩まなくてよい。データ管理されているから、見積参照もしやすい。上席者にとっては、自分が決裁すべき案件だけがプッシュ型で回ってくるので決裁処理が捗り、注意を要する案件への目配りも利きやすくなった。
・情報システム担当者様のご評価
『利用者のお守り負担が減った!』
以前のように担当によって書式フォームがバラバラだと、やれ「見積データを消失してしまった!」とか「書式のここを変えるにはどうすればいいの?」など、お守りが大変だった。システムを構築したいまは、そうした負担が大幅に減った。
今後のPOWER EGG活用について
亀井氏:作成した見積の受注確度・達成度を、案件毎にどう検証して行くのか、これが今後の課題です。ただ、リピート案件や簡単な案件はともかく、開発要素の多い案件などでは成契可能性が通常とは違うので、あまりガチガチに管理するのもどうかな?という見方もあります。研究が必要ですね」 「当面は、この《見積システム》の利用度を100%にすることが目標です。人によっては自分が従来やって来た書式と違うので、運用に馴れないケースもありますが、その他の仕事もほとんどPOWER EGG経由なので、極力早く馴れてもらえるよう指導して行きます。
企業プロフィール
東亜電気工業株式会社様
創業 | 1947年 |
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所在地 | 東京都千代田区 |
年商 | 506億円(平成21年2月期) |
従業員数 | 400人 |
拠点数 | ・国内本支店:18拠点 ・海外:13拠点 |
主な業務 | 電気・電子材料および部品の卸売業 |
導入時期・その他
POWER EGG 導入時期 |
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取材ご協力者 | 企画部・部長代理 亀井 稔 様 |