導入事例

カンタツ株式会社 様

「国内外の工場でPOWER EGGを活用。
ユーザ会では、我々の知らなかった
使い方を知ることができました」

※本事例に掲載されている情報は、取材当時のものです。
携帯電話・スマートフォン用カメラのマイクロレンズの開発・設計・製造におけるリーディングカンパニーとして、高機能センサーに見合う超小型サイズ化とセンサーの性能を出し切るための構造の精緻さを追求し続けているカンタツ株式会社。
今回、同社がPOWER EGGを導入した背景と効果について、業務本部 システム部 システムGr 部長 杉本 勝彦氏、主査 大島 知之氏にお伺いしました。

背景・課題

・本社と工場の間で紙の決裁書をやりとりしていたため、追跡に手間がかかり、業務の遅延につながっていた

・技術関係の文書共有を紙で行っていたため、現場での伝達が非効率になっていた

導入効果

・電子申請ワークフローの導入により意志決定が迅速になり、紙の追跡などの手間も減った

・国内・海外拠点での情報共有がリアルタイムで行えるようになり、業務効率が上がった

・中国語オプションにより現地社員での活用がスピーディーに進んだ

決裁業務のスピードアップと情報共有が促進

今回の導入概要を教えてください。

決裁のスピードアップを図るため、汎用申請ワークフローを中心にPOWER EGGを導入しました。選択した機能はグループウェア、汎用申請ワークフロー、Webデータベースの3つ。中国工場向けに多言語オプション(中国語[簡体字])も導入しました。
実際にPOWER EGGのグループウェアと汎用申請ワークフローを導入したのは2013年末。本格的な運用は2014年2月からスタートしました。Webデータベースに関してはシステム部が発足した2014年11月以降に導入。社内で浸透させるまで時間は要しましたが、現在では全社的にPOWER EGGを活用しています。

POWER EGGの導入効果を教えてください。

[汎用申請ワークフロー] 2週間以上要していた決裁が1、2日で済むように

決裁申請、出張申請、仮払、設備修理・点検の4つの申請業務を汎用申請ワークフローで行うことからスタートしました。これらが電子化されたおかげで、膨大な紙が不要になりました。
承認ルートの経過時間まで表示されますから、承認者が急いで対応するようになりました。従来は決裁に2週間から3週間近く要していましたが、今ではほとんどが1、2日で完了します。本社と工場間など距離的な制約も感じません。出張中の役員も、スマートフォンからアクセスして承認可否を判断できますから、業務のスピードアップが実現しました。
監査を受けるときも、承認履歴を見せるだけで済むようになりました。従来は紙の決裁書を用意しておく手間がかかっていましたが、これも一切省けました。現在では、30種類程度の申請書を汎用申請ワークフローで運用しています。

[グループウェア] 掲示板で情報共有事項を確実に伝達できるように

ナビビューで情報の一元管理ができるのは非常に便利です。このグループウェアの機能で当社がよく使っているのは掲示板ですね。以前までは、全社に知らせる場合の手段はメールだったため、大量のメールが飛び交う状況でした。今では情報を掲示板にアップすれば完了。各人のナビビューには、最新の書き込みも表示されますから、情報を確実に伝達できます。
長期的プロジェクトでは、電子会議室を使っています。以前、基幹系システムの導入プロジェクトで電子会議室を活用してプロジェクトの情報共有を行いましたが、非常に円滑にプロジェクトを進めることができました。他にも経理と生産管理のやり取りでも、電子会議室を活用していると聞いています。

業務本部 システム部 システムGr部長 杉本 勝彦氏
業務本部 システム部 システムGr部長 杉本 勝彦氏

[Webデータベース] 部署内での情報管理や共有が効率化

Webデータベースを導入したのは、私たちシステム部が発足してからで、主にアカウント管理やインシデント管理に活用しています。アカウント管理では入退職者のシステム利用状況などをデータベース化しています。インシデント管理では、システム関係におけるトラブルの履歴を残しておくデータベースで、外部監査のときなどは品質管理の体制をアピールするのに役立っています。
現在では営業関係の進捗データベースや契約関係の管理データベースなど、使用する部門・人が広がっています。

[多言語オプション(中国語[簡体字])] 中国工場との意思疎通がスムーズに

当社の中国工場でPOWER EGGを利用できるように、中国語[簡体字]オプションを追加しました。中国工場では、日本側に購買の決裁を申請するワークフローや技術文書の共有に役立っています。
無駄な時間と大量の紙を削減でき、業務もスピーディーになりました。現地とのコミュニケーションも円滑になりましたね。

決裁書のペーパーレス化が急務だった

そもそもPOWER EGGを導入したきっかけは何だったのでしょうか。

導入を進めることになったのは、2013年のことですが、ワークフローシステムの導入が急務だったのが大きなきっかけです。当時は決裁書のやり取りを行う場合、本社の矢板工場と須賀川工場との間を行き来することが多く、当社の定期トラック便に決裁書の封筒を乗せて承認を得る手段を取っていました。
当然、時間がかかり、長いときには2、3週間を要していました。その上、「届いた」「届いていない」という話も日常茶飯事。差し戻しがあったときには、さらに時間がかかる状況でした。
業務の遅延を招く大きな要因となっていたこともあり、トップダウンで決裁スピードアップのための電子申請ワークフローの導入を進めることになりました。
また、ワークフローを選定していると、ピックアップする製品は必然的にグループウェアも付随してきます。当時の社内的なアプリケーションやシステムは、基幹系や共有ファイルサーバー、メールシステムがある程度でしたから、グループウェアとワークフローの両建てでシステム選定する運びとなりました。

ワークフローの使い勝手が選択のポイントに

今回、POWER EGGを選定したポイントを教えてください。

ディサークルのPOWER EGGを含め4社の製品をピックアップし、各社にプレゼンを行っていただきました。当時は主幹部門がなかったため、導入の意思決定に関わったのは課長以上の部門長約20名。4社の製品からPOWER EGGを選定したのは、以下の理由となります。

[ワークフローの使いやすさ]

今回の目的はワークフローですから、まず、ワークフローの使いやすさが大前提。プレゼンの印象が良かったのはPOWER EGGの汎用申請ワークフローでした。直感的な使いやすさに加え、所属部門情報に紐付けされた承認ルートの自動生成は秀逸。ナビビューの承認漏れ防止アシストも現実的な機能として納得できるものでした。

[高機能なオールインパッケージ]

グループウェアの中にワークフロー機能が用意されている製品は、ワークフローにちょっと物足りなさを感じていました。その点、POWER EGGは5つのアプリケーションを自由に組み合わせて利用できるオールインパッケージ。グループウェアも汎用申請ワークフローもしっかり連携したうえでどちらも高機能です。当社のあらゆる業務にフィットすると感じました。

[低コストで導入できるクラウド製品]

汎用申請ワークフローでPOWER EGGに良いイメージを持ったところ、絶妙のタイミングでPOWER EGGのクラウド版がリリースされました。オンプレミスでPOWER EGGのシステムを運用するとなると初期費用がかかり、運用・保守費用も大きくのしかかってきます。クラウド版ならライセンスに応じた月々定額のマネージドサービス。すぐに導入できる金額でした。

業務本部 システム部 システムGr主査 大島 知之氏
業務本部 システム部 システムGr主査 大島 知之氏

社内勉強会を通じてPOWER EGGを浸透

先ほどPOWER EGGを浸透させるまで時間を要したというお話しがありましたが、詳しくお聞かせください。

決裁申請、出張申請、仮払、設備修理・点検の4つの申請業務に関しては一気に切り替えたのですが、当時は紙の文化が浸透していたので、従業員はかなり抵抗があったようです。POWER EGGに慣れるまで数カ月はかかったと思います。決裁者が自分のところで止まっていることに対処できなくて、そこは我々が電話で督促したような記憶がありますね。とにかく、「紙は受け付けません」という姿勢を徹底し、POWER EGGを強制的に利用させるようにしました。

工場はICTが浸透しにくいと伺うことがありますが、御社はいかがでしたか。

管理部門や間接部門は一人一台の端末ですが、工場はひとつグループに一台の共有端末があって、それを責任者が操作するスタイル。まったくPOWER EGGに触れない従業員もいます。しかも工場は3交代制ですから、従業員の隅々までPOWER EGGを浸透させるのは時間がかかります。

POWER EGGを浸透させるために行った取り組みがありましたらお聞かせください。

POWER EGG導入当時、文書管理委員会という分科会がペーパーレスを推進していました。浸透しはじめたのは、我々のシステム部が発足してからですね。
具体的な取り組みとしては、各部門の担当者に集まってもらってグループウェアと汎用申請ワークフローの2段階で勉強会を実施しました。それを各部門に持ち帰って展開してもらう形にしたのです。
定期的な勉強会を開催し続け、部門からの問い合わせにもレスポンスよく対応するなどの積極的な啓蒙活動を続けたことで、社内でPOWER EGGの活用が標準化。現在では当社の業務活動において、POWER EGGが欠かせないツールとなっています。

ユーザ会で業務に活かせるワザを収集

POWER EGGのユーザ会にも積極的に参加されています。参加してみていかがでしたか。

他の企業がPOWER EGGをどう使って、どう業務に活かしているのか、そういったリアルな情報収集を目的に参加しています。実際、社員検索画面において頭文字でヒットさせる時短ワザや、カレンダーを十字キーで操作できる機能などは、このユーザ会で知ることができました。
我々が発想しなかった面白い使い方をされている企業の事例を知ることができるのがユーザ会の魅力です。これからも、年3回のユーザ会分科会には積極的に参加していくつもりです。
ディサークルさんのサポートも不可欠です。これからも、よろしくお願いします。

企業プロフィール

カンタツ株式会社

ビデオ用メカユニットの生産を基軸として創業。精密機器の設計、加工、管理技術を培ってきた。2000年以降は新たに光学技術を導入し、携帯電話やスマートフォン用カメラのマイクロレンズの開発・設計・製造に取り組み、現在はそのリーディングカンパニーとして国内外から高い信頼と評価を築いている。3Dプリンターの分野にも進出、強みである光学技術、超精密金型技術を活かしたグローバルな事業展開も注目されている。

名称 カンタツ株式会社
本社 東京都品川区南品川3丁目6-21トーヨービル
創業 1979年6月
資本金 4706百万円
従業員数 単体 435人/連結 3702人(2019年3月末現在)
URL http://kantatsu.co.jp/

取材:2020年2月