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POWER EGG導入パートナー紹介/ビジネスエンジニアリング株式会社様

ノーコードアプリケーション開発ツール
POWER EGGでアドオン開発から脱却
mcframeの業務フローを補完し、ものづくりのITを支援

製造業向けERPシステム導入のパイオニアとして、SAPやOracleを活用したシステムインテグレーションを提供するほか、生産管理・販売管理・在庫管理・原価管理などの製造業向けSCMパッケージ「mcframe」を展開するビジネスエンジニアリング。
従来のmcframeでは対応が難しかった案件管理や問合せ管理といった営業・サポート系の業務領域をカバーするため、POWER EGG(Webデータベース、汎用申請ワークフロー)をベースとした「mcframe PEAKS(Power Egg Application for Key Strategy)」を開発・販売しています。
その背景と導入状況などについて、プロダクト事業本部 プロダクトビジネス企画部 ビジネスデベロップマネージャー 技術経営修士 桂田 慎吾氏に話を伺いました。

製造業に最適化したSCMパッケージ
「mcframe」について

まずは、mcframeについて、ご紹介いただけますか。

mcframeは、生産管理や原価管理といったサプライチェーンマネジメントに必要な機能をパッケージ化した基幹システムで、日系企業の国内外の「ものづくり」現場で培ってきたノウハウを凝縮し、システム機能に落とし込んできた自社開発のソフトウェア製品です。現在最新版となっているmcframe 7シリーズは、生産・販売・在庫管理などを担う「mcframe 7 SCM」、原価管理を担う「mcframe 7 PCM」に加えて、CO2排出量を製品単位に集計し、脱炭素活動を推進する「mcframe 7 CFP」をラインアップしています。ほかにも、お客様の課題や利用形態に合わせた製品群を展開しています。

mcframeの大きな特徴は、「日本の製造業」に最適化したパッケージという点です。日本の製造業にフォーカスして開発してきたので、複雑な商習慣の対応に必要な機能も標準搭載していますし、非常に高いレベルでフィットできているのではと自負しております。おかげさまで、これまでmcframeを導入させていただいた企業は1,000社以上になりました。これからも、製造業のSCMや周辺領域を含めた「ものづくりデジタライゼーション」の実現を推進し、お客様のデジタル化・変革をご支援してまいります。

POWER EGG で構築された
「mcframe PEAKS」とは

そのような状況の中、POWER EGGをベースにした「mcframe PEAKS」をサブシステムとして開発されました。まずは製品概要を教えてください。

POWER EGGのWebデータベース、汎用申請ワークフローに、当社が開発した業務テンプレートをセットにして、「mcframe PEAKS」という名称で販売させていただいています。mcframe PEAKSが担う領域を、図にまとめました。

図 mcframe PEAKSが担う領域

こちらの図にありますとおり、生産の周囲にある人手を介する競争領域の部分をmcframe PEAKSが担っています。具体的には、お客様との取引が始まる前からの顧客管理、案件管理といった領域と、製品出荷後の契約管理や問合せ管理といったアフターサービスの業務領域になります。また、副資材などの間接材購買やmcframe 7のマスタ申請など、基幹業務の内部統制もmcframe PEAKSが大きな役割を担います。

これらは導入企業ごとに業務フローが異なるため、カスタマイズが必要なのですが、従来のmcframeではなかなかカバーしきれない機能でした。そこでアプリケーション開発ツールであるPOWER EGGを業務テンプレートとともに提供することで、お客様がノーコードで業務フローをシステム化できるようにしたのがポイントになります。

POWER EGGをベースにした「mcframe PEAKS」が生まれた背景をお聞かせください。

日本の製造業のサプライチェーンマネジメントに最適化したmcframeですが、営業活動やサポートといった競争領域は、企業ごとに独自性が強く、パッケージに落とし込むのが難しい領域でした。そのため従来は個別にアドオン開発が行われていました。

しかし、アドオン開発多いと、mcframe 導入プロジェクトのQCDリスクが高まるだけでなく、システム稼働後に技術的負債を増長させる問題が伴います。特に近年では、mcframeの標準機能をそのまま利用する、いわゆる「Fit to Standard」を前提としたプロジェクトが主流となり、標準機能では不十分な業務領域は、mcframeの適用対象外になるケースもあります。

とはいえ、昨今のいわゆるDX化の波は、お客様の業務領域全体に広がっています。そこで、さきほど述べた競争領域を含めた製造業の業務フロー全体をmcframeでDX化することができればと考え、検討したのがノーコードのアプリケーション開発ツールです。お客様ごとに競争領域のアプリケーションを安価で開発できますし、お客様側も操作に慣れれば内製化も促進できるというメリットがあります。そのような中で出会ったのがPOWER EGGだったというわけです。

どういった経緯でPOWER EGGにたどり着いたのでしょうか。

POWER EGGを開発・販売しているディサークルの親会社、三谷産業さんと2018年に業務提携を締結したのがきっかけです。もともと三谷産業さんとは、当社のパートナーとしてmcframeの構築で関係性があったのですが、業務提携後はより交流が活発になりました。その流れでPOWER EGGをご紹介いただいた次第です。

POWER EGGは細かな設定ができ、
かつ操作が簡単

POWER EGGのほかにも検討されたノーコードアプリケーション開発ツールがあったかと思います。POWER EGGを選定した理由を教えてください。

POWER EGGを含め、計3製品のノーコードアプリケーション開発ツールを比較・検討しました。PoC(Proof of Concept:概念実証)というほどではありませんが、実際に操作もさせていただきました。そのうえでPOWER EGGを選定した理由は以下となります。

〈簡単かつ直感的に操作できる〉
他のノーコードアプリケーション開発ツールはプロ仕様なところがあり、エンジニア介入の必要性を感じましたが、POWER EGGは圧倒的に操作が簡単。エンジニアがいなくても、内製で構築できると感じたのがPOWER EGGでした。とにかく直感的に操作できますから、お客様が慣れるのに時間はかからないと思いました。

〈業務アプリケーションとしての表現力が高い〉
操作が簡単でも機能は充実しており、とくに細かい設定ができるのが魅力でした。具体的には、項目定義フィールドの種類が豊富、他のテーブルのデータをマスタデータとして選択できる、排他制御や権限管理ができる、ワークフローにおける多段的な承認設定が可能などです。業務アプリケーションを構築する上で、十分な機能が備わっていると感じました。

〈共同開発における信頼関係〉
業務提携よる近い関係性も選定ポイントでした。製品に対するフィードバックなどをしていく上でも、当社とのベクトルが全く異なり、製品の方向性などが急に変わってしまうようなことがあれば、お客様にご迷惑をおかけすることになってしまいます。そういう意味では、三谷産業さんとの業務提携による安心感・信頼感は、POWER EGGを選定する後押しとなりました。

業務テンプレートをセットにして
mcframe PEAKSを提供

さきほど「製造業に特化した業務テンプレートを開発した」とお話されていましたが、その業務テンプレートとはどのようなものなのでしょうか。

お客様の業務を想定して制作した、Webデータベースのテンプレートになります。mcframe 7ほか、さまざまなラインアップに対応しています。リスト以外にもサンプルが豊富にありますので、お客様からのご要望があれば、パートナーを通じてサンプルを提供することが可能です。

表 提供している業務テンプレート

mcframe PEAKSの導入実績やお客様からの声をお聞かせください。

受注生産中心の製造業のお客様に高くご評価いただいています。受注生産の製造モデルは、代表的な型式をベースにお客様の要件を取り入れ、受注設計生産モデルに近いケースが多いです。このようなケースでは、見積も複数パターン作成したり、価格も都度見積していますので、見積履歴がWebデータベースに蓄積され、すぐに検索できることがシステム化のメリットになっています。

更に、利用するユーザ部門だけではなく、経営層の方々にもご評価をいただいています。mcframeを導入されたお客様のなかには、ブラックボックス化したホストコンピューター、およびホストコンピューターと密結合した周辺のシステムを利用し続け、老朽化に苦しんでいた方々が数多くいらっしゃいました。mcframeとmcframe PEAKSによって業務をトータルで支えるシステムを安価に構築できたことが、経営面からご評価をいただいているポイントです。

プロダクト事業本部 プロダクトビジネス企画部
ビジネスデベロップマネージャー 技術経営修士
桂田 慎吾

POWER EGGは柔軟性が高く、業務アプリケーションの表現力が高いところが高評価なのですが、POWER EGGにもアドオン開発ツールがあり、標準機能では表現できない業務ニーズにアドオンで対応することがあります。しかしながら、POWER EGGのアドオンが肥大化してしまうことは、本末転倒であり、システム導入プロジェクトでは、標準機能を駆使して100点は満たせなくても70点でどうにか受け入れていただくようなアプローチをしています。

当社としては、導入プロジェクトを通じて得たお客様のニーズに対し、POWER EGGの良さを消さない範囲でディサークルさんにリクエストをさせていただき、次回バージョンでの機能改修・追加をお願いしています。ありがたいのは、ディサークルさんの営業担当だけでなく、技術責任者の方と直接お話させていただけるので、非常に安心感があります。

mcframe PEAKSを上手く活用できていると感じる現場では、情報システム部門が現場の自主性を重んじているのを目の当たりにします。現場がほしいと思うものを内製でつくれる仕組みを構築したいという想いが強く、ノーコードアプリケーション開発ツールであるPOWER EGGが基盤になっているのは大きいなと感じています。

最後にmcframeシリーズの今後の展開をお聞かせください。

大きくは3つあります。1つ目はAIへの対応です。現在はChatGPTと連携し、操作方法を支援するヘルプ機能を提供する予定ですが、今後はAIと連携したさらなる使いやすい環境を提供していかなければならないと考えています。

2つ目は製造業が抱えているカーボンニュートラルの問題です。製造業では製品化されるまでに排出したCO2の量を可視化し、製品レベルで細かく把握したうえで、削減目標を達成する具体的なアクションが求められています。この問題に対しては、冒頭でお話させていただいたmcframe 7 CFPで対応しました。今後もmcframe 7 CFPの導入を推進し、製造業における脱炭素のシステム基盤づくりを支援できればと考えています。

3つ目はクラウドへの展開です。先日、カスタマイズに対応するクラウドサービスmcframe Xをリリースさせていただきました。mcframeシリーズで長年培った豊富な機能と柔軟性を継承し、クラウド時代に合わせてmcframe Xではアーキテクチャーを刷新しました。お客様のビジネス成長に合わせて、業務の標準化・高度化およびDX推進を力強くサポートしてまいります。

ビジネスエンジニアリング株式会社について

1987年、東洋エンジニアリング株式会社の産業システム事業本部としてスタート。1999年、東洋ビジネスエンジニアリング株式会社を設立。2019年に社名をビジネスエンジニアリング株式会社に変更。1993年に「日本初のERPシステム導入プロジェクト」の生産・ロジスティックス領域に携わったのを皮切りに、ERPおよびその周辺領域において数多くのプロジェクトを遂行。現在は製造業を中心に、グローバルなサプライチェーン・バリューチェーンの構築をIT面から支援する企業として成長している。

本社 東京都千代田区大手町1-8-1 KDDI大手町ビル
事業開始 1999年4月
資本金 6億9,760万円
従業員数 連結:684名/単体:521名
URL https://www.b-en-g.co.jp/
(2023年3月31日現在)

※本事例に掲載されている情報は、取材当時のものです。
取材:2023年10月