導入事例

しずおか焼津信用金庫 様

「ノーコードで利用できるPOWER EGGで、
各部門がWebデータベースの作成に
携われる体制を構築できました」

2019年、静岡信用金庫と焼津信用金庫とが合併して生まれたしずおか焼津信用金庫は、「とことんお客様と寄り添うことで地域の明るい未来に貢献する金庫となる」ことを掲げ、課題解決につなげる伴走体制の強化を図り、地域経済の活性化に取り組んでいる。
そんな同庫がPOWER EGGを導入した背景と効果について、事務部 副調査役 松永 茂氏、融資部 調査役 森主 鉄兵氏、業務統括部 調査役 望月 慎之介氏にお伺いしました。

背景

・利用していた製品のサポート終了に伴い、その製品上で稼働していた 「顧客調査システム」「時間外報告システム」「投信国債報告システム」のリプレース先を探していた

・従来のシステムはコーディングが必要なため、業務アプリケーション作成の難易度が高く、取り組みがなかなか進んでいなかった

活用状況

・ノーコードでデータベースやフォームが作成できるようになり、各部門で必要な業務アプリケーションを自ら構築できるようになった

・Excelとの親和性が高く、現場の抵抗感なく業務に浸透させることができた

導入後、次々と業務用データベースを作成

今回、導入した製品・サービスを教えてください。

2018年に旧静岡信用金庫でPOWER EGGのWebデータベースを300ライセンス導入しました。2019年に旧焼津信用金庫と合併し、しずおか焼津信用金庫となったのを機会に、200ライセンスを追加しました。導入したのはWebデータベースのみで、そのほかの機能(グループウェア、汎用申請ワークフロー)は選択していません。

>事務部 副調査役  松永 茂氏
事務部 副調査役 松永 茂

Webデータベースをどのようにお使いですか。

当金庫全体で使う業務アプリケーションを作成するツールとしてPOWER EGGを利用しており、各部門が自由に作成できる体制にしています。現在は2つのカテゴリーに分け、25の業務アプリケーションが稼働しています。

稼働中の業務システム一覧

■報告関連システム
投信国債報告 営業店からの投資信託、国債の約定報告、管理
年金月初報告 営業店の年金受取口座数の増減報告
疑わしい取引報告 金融庁への報告義務を遵守するため、犯罪への関与が疑わしい案件を随時報告・管理
職務配置管理 各支店が行う人事配置情報を登録し、人事部に報告
与信重複先管理 合併前、静岡信用金庫と焼津信用金庫の両方で借入があるお客さま情報を収集。どちらかひとつの支店の借入を促し進捗状況を管理
※現在は役割を終えている
アンケート集計Ⅱ 新型コロナウイルスが蔓延し始めた際、お客さまにアンケートを実施し情報収集。傾向を把握・分析することで適切な支援策を立案
※現在は役割を終えている
事務ミス報告 発生したミスを各支店が随時入力し、本部および全支店で共有。ミスの再発防止に役立てている
■業務情報関連システム
顧客調査システム(注意情報の管理) 融資案件管理表
クレジットカード実績登録表 預かり資産案件管理表
年金変更報告 年金予約請求管理
融資条件変更件数集計 格付先の業況期中確認
経営者保証の取扱状況集計 不動産インフォメーション
ビジネスマッチングインフォメーション フリーインフォメーション
お客様サポート部案件管理表 事業承継支援先リスト
本業支援課題抽出表 改善提案

簡単にデータ共有でき、目的のデータもすぐ見つかる

POWER EGGの導入効果を教えてください。

ノーコードで簡単に業務アプリケーションを作成できる

とにかく簡単に業務アプリケーションをつくることができます。以前のシステムはコーディングが必要だったため、その違いは歴然。ドラッグ&ドロップ操作で項目を配置していけば画面が完成します。また、作成済のWebデータベースを複製して別のWebデータベースをすぐに作成できる点も秀逸です。

データを簡単に共有できる

データを簡単に本部、営業店間で共有できるようになりました。以前は共有フォルダにあるExcelファイルに各支店からアクセスし入力していましたが、同時に編集できず不便でした。また、各支店からExcelファイルを収集し本部で集約、集計していました。POWER EGGを導入した現在は、どの支店も直接Webデータベースにアクセスして入力すれば終わりです。 複数のファイルを集約する作業がなくなり、集計作業も不要になり、圧倒的に速くなりました。また、支店で入力してもらう項目以外をロックして入力ミスを防ぐこともできるようになりました。

すぐに検索できる

目的のデータを検索してすぐに探し出せるようになりました。以前は必要なExcelのファイルを集めて、それをひとつにまとめてから検索しなければならず、とても煩雑でした。POWER EGG化によって、複雑な検索条件で情報を探すのも楽になりました。

Excel出力で運用定着もスムーズに

従来使っていたフォーマット通りにExcel出力できるのもメリットでした。簡単に報告書の出力ができ、これまでと同じやり方でチェックができるとあって、各支店でも抵抗なくPOWER EGGを受け入れることができ、運用定着もスムーズに行えました。
また、本部と各支店、あるいは支店間のやり取りに送付状が必要になるのですが、この送付状もExcel出力機能を使って簡単に作れ、本当に便利になったと感じています。

■データベースから従来通りのExcelファイルを出力できる

属人化の呪縛から抜け出し、各部門でシステム構築可能に

POWER EGGを導入したきっかけをお聞かせくださいますか。

理由は2つあります。もっとも大きな理由は、利用していた製品のサポート終了の話があったためです。以前からその製品上で「顧客調査システム」「時間外報告システム」「投信国債報告システム」を稼動しており、これが業務システムの三本柱となっていました。これらはどうしても継続して使いたいと思っていましたから、リプレースシステムを探していたわけです。
それから、従来の製品では、簡単な業務アプリケーションをつくるにもコーディングが必須という仕様で、対応できる職員が限られるのがネックでした。日々忙しい中、不慣れなコーディングに割く時間を取るのも難しく、先ほど"三本柱"と申し上げましたが、裏を返せば、これ以上の業務アプリケーションをつくれなかったということです。サポート終了を機に、新たな製品にリプレースするのが得策だと考えました。

融資部 調査役  森主 鉄兵氏
融資部 調査役 森主 鉄兵

新たな製品を導入するうえで比較・検討はされましたか。

コーディング不要で利用できる2つの製品で比較・検討しました。ひとつは近隣の信用金庫でも導入されていて安心感がありました。ただ、この製品は売り切り型のもので、ユーザーが主体となって導入・移行を進めなければならないと知って断念しました。
その後、当庫とお付き合いがあるベンダーから紹介されたPOWER EGGを知り、信用金庫への導入実績も十分で、"三本柱"の移行もベンダー側で行っていただけるとの提案があり、SEの方にも移行可能とお墨付きをもらったので、POWER EGGを選定させていただきました。

導入後、POWER EGGの利用を浸透させる取り組みはどのようにされたのでしょうか。

"三本柱"の移行作業こそベンダーにお願いしましたが、そもそもは職員で運用するため、コーディング不要のWebデータベースを選んだわけですから、活用を推進していきたいと考えていました。そこで導入後、各部門から1名ずつアプリケーションの扱いに明るい職員を選出し、ベンダーによるPOWER EGG講習会に参加してもらいました。これにより、各部門が必要な業務アプリケーションを自分たちで作成し、運用できる土台をつくることができました。それが現在の25ある業務アプリケーションに反映されています。
ただ、全体で見ると、まだまだExcelを使っている業務がたくさんあるようです。特に部門単位の業務に多く見受けられるので、今後は部門単位で利用する業務システムの推進を考えています。

業務統括部 調査役  望月 慎之介氏
業務統括部 調査役 望月 慎之介

「しんきん共同センターの還元データ」と
POWER EGGの連携を視野に

今後の展望をお聞かせください。

一般社団法人 しんきん共同センターが運営する、勘定系システム「しんきん共同システム」との連携を考えています。しんきん共同センターが管理する元帳(顧客情報や口座情報)のデータは、補完システムを通じて日次あるいは月次の勘定系データとして、当金庫が独自に管理するデータベースに還元される仕組みになっています。
ただ、このデータベースをさまざまな業務に活用しきれていません。業務情報を集約しているPOWER EGGと連携できるようになれば、取引情報の照合などが格段とスピーディーに行えるようになり、利便性が大きく広がるものと考えています。

企業プロフィール

しずおか焼津信用金庫

2019年、当時のしずおか信用金庫と焼津信用金庫が合併して新たなスタートを切る。両金庫の強みを継承し、スローガン「地域の未来によりそう」を掲げて、地域に寄り添った信用金庫を目指す。会員制組織「ビジネスクラブ」を通じた人材育成、静岡市や地元企業と連携して取り組む「SHIZUOKA SDGs Action!」、地元の子供たちに地場産品への関心を高めてもらう「しずおか『夢』デザインコンテスト」などのユニークな活動を展開している。

(2021年3月末時点)
名称 しずおか焼津信用金庫
本部所在地 静岡県静岡市葵区相生町1番1号
設立 1931年1月
出資金 32億円
店舗数 66店舗(うちサテライト店1、出張所10)
※インターネット支店含む
役職員数 1,002名
預金 1兆6,901億円
貸出金 8,186億円
URL https://www.shizuokayaizu-shinkin.co.jp/

取材:2022年2月