オリックス銀行株式会社 様
ペーパーレス化を支えた内製の支援体制
※本事例に掲載されている情報は、取材当時のものです。
1998年にオリックスグループ入りして以来、既存の銀行のあり方にとらわれずに業容を拡大してきたオリックス銀行。
同行では、業務システムの更改を機に、POWER EGG導入しました。その背景と効果について、専務執行役員 寺元寛治氏、デジタル戦略推進部長 吉田茂史氏、デジタル戦略推進部 企画チームマネージャー 平田滋氏、同主任 肥沼彰氏、同飯尾芙美氏にお伺いしました。
背景・課題 |
・紙で行っていた申請業務の処理に時間を要しており、迅速な業務の阻害要因のひとつになっていた ・既存の業務システムでは、社内にデータベースの新規作成・修正および問い合わせ対応可能者が少なく属人化の課題があった。更改のタイミングもあり、システム移行を検討していた |
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導入効果 |
・電子申請ワークフローの導入により決裁時間が短縮し、申請状況も見える化した ・各業務部門でデータベースの作成・管理を行えるようになり、業務生産性が高まった ・書類がなくなり、場所を問わずに仕事ができる環境が実現した |
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決裁の時間短縮と全社のペーパーレス化を加速
今回の導入概要を教えてください。
業務システムのリプレースにともない、2019年1月にPOWER EGGを導入し、同年6月より全社運用を開始しました。導入した機能は、汎用申請ワークフローとWebデータベースの2つです。汎用申請ワークフローは紙の稟議を電子化するために使用を開始。Webデータベースは旧業務システムからの移行分を含め、現時点(2021年6月末)で計261のデータベースを運用しています。用途としては、申請・報告業務系・進捗管理系・情報共有系になります。
POWER EGGの導入効果を教えてください。
効果その1申請から決裁までの時間を大幅短縮
稟議書に要する申請から決裁まで所要時間が、紙ベース運用時の4.1日(2017年度実績)から、1.1日(2020年度実績)と大幅に短縮することができました。特に物理的距離のある拠点からの申請に関しては、大きな効果を感じることができています。
また、決裁までの所要時間短縮にともない、以下の効果も見込んでいます。
- 稟議書作成などにかかる関連作業時間の短縮(20~30%減と試算)
- 紙代、印刷代、送付運搬費用、外部倉庫保管費用などの削減
効果その2ペーパーレス化を実現
POWER EGGの導入により、これまで紙で行っていた申請・報告業務などが電子化でき、かねてより取り組んできた全社的なペーパーレス化が加速できました。当行では、働き方改革やデジタライゼーションの推進など、サステナビリティを基軸とする経営を打ち 出していますが、その意味でも大きく貢献できたと考えています。
効果その3キャビネット5割削減にも貢献
オフィスビルの大規模なリノベーションにともない、広々とした執務スペースを確保するために紙書類の保管スペースを削減するという命題がありました。
これに対しても、POWER EGG導入による電子化を含め、さまざまな取り組みが相まって、キャビネットを5割削減することができました。
効果その4ニューノーマルな働き方に寄与
当行では、ニューノーマルな働き方を積極的に推進しており、全社員にモバイルPCとスマートフォンを貸与するとともに、テレワークを積極的に実施してきました。
POWER EGG導入による申請などの電子化は、そうした活動を支える一端です。これにより、紙で行う仕事が減り、職場に限らず自宅などで仕事ができる環境にシフトすることができました。昨年、初回の緊急事態宣言のときは社員の大半がテレワークという状況になりましたが、すでに在宅で仕事ができる環境を構築していたため、業務に大きな支障は出ませんでした。
効果その5ITリテラシーの向上
日常業務の多くの場面でPOWER EGGを活用することによって、まだ紙ベースの業務が残っていることや、紙に印刷すること自体に疑問を感じることなど、社員の意識をデジタル化に向ける改革を図ることができたと考えています。
誰でも簡単にデータベースを構築できる環境が整備できたことから、各部門内で必要なデータベースを構築するなど、業務生産性が高まりました。
紙の書類に依存した業務課題に取り組む
そもそもPOWER EGGを導入したきっかけは何だったのでしょうか。
2018年に、業務デジタル化推進の一環として、20年以上利用していた業務システムのリプレースが決まりました。検討が進む中、既存のデータベースの移行のみならず、延々と続いてきた紙の書類に依存した業務フローを早期に解決すべき課題として捉え、代替システムの選定に入りました。
導入検討時は、紙による稟議書(貸付金申請を除く一般稟議、委員会稟議)の申請は、年間約5,000件ありました。稟議書以外でも、申請書が約350種類あり、年間約60,000件の申請が運用されていました。
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- 《 目次 》
- 導入概要/導入効果
- 導入したきっかけ
- 選定ポイント
- 業務システムからの移行を成功させるポイント
- ペーパーレス化をを成功させるポイント
- 自社内で移行作業やペーパーレス化を推進
- DXの取り組みについて
取材:2021年7月