導入事例

遠賀信用金庫 様

「ポータル画面のプッシュ通知で
処理すべき業務がひと目で把握
できるのはいいですね」

※本事例に掲載されている情報は、取材当時のものです。
「スモール イズ ナイス」のスローガンを掲げ、地域の中小企業や個人に寄り添ったサービスを提供し、身の回りのお世話からをモットーに取り組んでいる遠賀信用金庫。
小回りを重視した業務スタイルがゆえに、職員一人あたりがこなす業務も幅広いという。
ペーパーレス推進をきっかけにPOWER EGGを導入した同金庫の背景や効果について、常務理事 吉村 勝氏、事務部 事務集中課長 山中 洋氏にお伺いしました。

背景・課題

・紙で行っていた申請業務の処理に時間を要しており、業務のスピード化のボトルネックのひとつになっていた

・メールで作業依頼をしていたので、確認だけでも手間がかかってしまい、本部と営業店間での情報伝達が非効率になっていた

導入効果

・電子申請ワークフローの導入により決裁時間が短縮し、申請状況も見える化した

・作業依頼や社内メールによって、伝達や確認が手間無く確実に行えるようになった

・ポータル画面の通知機能により、業務全体が見渡せるようになり、効率化につながった

ペーパーレス化の促進と業務の見える化が実現

今回の導入概要を教えてください。

業務改革の一環としてパッケージ版のPOWER EGGを250ライセンス導入し、2019年3月から利用しています。選択した機能はグループウェア、汎用申請ワークフロー、Webデータベースの3つ。全15店舗でパソコンの台数は約200台、共用パソコンはIDを切り替えるなどして全職員がPOWER EGGを利用できる環境を構築しています。
POWER EGGの利用にあたって、カスタマイズは一切行っていません。汎用の業務システムであるPOWER EGGは、さまざまな企業からのフィードバックが反映されており、すでに効率化のノウハウがギッシリと詰まっているからです。
こうしたことから、一般的な業務の進め方についてはグループウェアの機能に合わせていく方が効率的という指針のもとで運用しています。

POWER EGGの導入効果を教えてください。

[グループウェア] 業務全体をひと目で把握できるように

ポータル画面「ナビビュー」の左下に、アシストメッセージという通知機能がありますが、ここには個人別ですぐに判断すべき・処理すべき情報が逐一表示されるので、とても便利です。承認依頼や申請の進捗などもひと目で分かるので、常に迅速かつ効率的に業務を進めることができます。

[グループウェア] スケジュール共有で調整の手間が削減

以前に利用していたグループウェアのスケジュール機能では、自分のスケジュールを登録するだけでしたが、POWER EGGでは他の職員のスケジュールも閲覧することが可能です。
その日ごとの業務が一目瞭然で、そのままプロジェクトメンバーのスケジュールに打ち合わせや会議を入れることもできるようになりました。調整がとても楽になりましたね。
当初はスケジュールを非公開にする職員もいたのですが、そういう人をつかまえては、予定を庫内で共有することで無駄な調整作業を無くすための機能なのだと啓蒙して回っていましたね。

常務理事 吉村 勝氏
常務理事 吉村 勝氏

[グループウェア] 掲示板で営業店の活動を手軽に共有できるように

それから、営業店単位で行っているイベントや店内での取り組みなどを掲示板機能で共有するようにしました。これまでは各営業店から写真を送ってもらい、本部側でコメントを書いて発信していたので、集約作業に手間も時間もかかっていました。
今では各営業店で直接掲示板に書き込んでもらっていますので、リアルタイムに共有できますし、何より各自で取り組みをアピールできるとあって、業務へのモチベーションも上がったと感じます。営業店同士での交流も活発になってきたと思います。

掲示板には、各営業店からの活動報告が寄せられる
掲示板には、各営業店からの活動報告が寄せられる

[汎用申請ワークフロー] ペーパーレス化が進み、決裁がスピーディーに

これまで紙で行っていた申請業務を、POWER EGGの汎用申請ワークフローに置き換えました。約330種あった申請書類は、導入を機に必要なものを洗い出し直し、「ソリューション事例報告書」「業務改革提案」「事務処理ミス報告書」など90種ほどを移行しました。
ペーパーレス化が進んだのはもちろん、決裁自体もスピーディーになりました。例えば、営業店と本部間の申請でこれまで数日かかっていたものが、その日のうちに決まるものも出てきました。
承認状況も見える化されていますから、安心感があります。また、コメント機能を使って申請内容に関するやり取りも残せるので便利ですね。

[Webデータベース] 決裁された申請内容を自動登録で共有

申請のうち、全営業店で共有したいものは、ワークフローで決裁された内容をWebデータベースに自動登録するように標準機能を使って連携しています。ほかにもWebデータベースを有効活用したい思いはありますので、他の金融機関の活用状況を参考にさまざまな検討を重ねていこうと考えています。

ペーパーレス推進の上でワークフロー機能に着目

そもそもPOWER EGGを導入したきっかけは何だったのでしょうか。

きっかけは、業務改革のひとつとして4年前から本格的に取り組み始めたペーパーレスの推進でした。当時は法律で保管が定められた書類以外にも、念のため残していた書類が多数ありました。まずは書類ごとに保管期間を見直し、管理規定も改定しました。
ペーパーレスを推進するなか、次に着目したのが紙で行っていた申請の電子化です。ワークフローシステムを導入すれば、申請書類の多くがペーパーレスになり、この取り組みが大きく前進すると考えました。
当時利用していたグループウェアにはワークフローの機能がなかったので、アドオンで実装することも検討しましたが、予算面や他の機能でも不足面があったので、あわせて刷新することにしました。そこで、ワークフローの機能を標準で持っているグループウェアを選定することになったのです。

事務部 事務集中課長 山中 洋氏
事務部 事務集中課長 山中 洋氏

今回、POWER EGGを選定したポイントを教えてください。

当金庫の業務内容や組織体制に最適なグループウェアを見つけるため、金融機関向けの展示会やセミナーに足を運んだりして情報収集しました。私ども地域の信用金庫は、地方銀行のように大きな組織ではありませんので、オーバースペックになり過ぎず、かつ、必要な機能がしっかり実装されている製品が望ましかったのです。
最終的に候補に残ったのは、POWER EGGを含めた2社の製品でした。両者とも基本的な機能は満たしていましたが、以下の面でPOWER EGGを選定させていただきました。

[金融機関への導入実績]

POWER EGGは金融機関への導入実績が豊富で、事例も公開されていたので、選定にあっては大きな安心感となりました。また、POWER EGGを利用している他の金融機関へ視察に行く機会があり、具体的な使い勝手や導入効果などを聞くことができ、さらに安心感が高まったこともありました。

[レスポンスの良いサポート体制]

実際に利用するとなると、メーカーはもちろんですが、構築に携わるベンダーの営業担当者や技術サポートの支援も必要になってきます。やはり、どんなに素晴らしい製品でも、「ここに頼めば安心」という信頼関係を築けなければ、長く使い続けられませんからね。
商談を進めていく中で、ディサークルさんをはじめとする協業体制がしっかりと構築されているのが分かり安心できました。実際、導入後もレスポンス良くサポートしていただいています。

ワークフロー以外の機能はいかがでしたか。

グループウェアに「作業(ToDo)」という機能があるのですが、当金庫では重宝しています。自分の作業記録だけでなく、他の人への作業指示や他の人からの作業指示も共有できる機能なのですが、本部から各営業店への業務指示や確認などもこの機能を使ってコメントをもらっています。
あとになってユーザ会で知ったことですが、大手の金融機関では、ほとんどこの機能は使っていないそうです。組織規模が大きくなると、個人間のやりとりをするための機能では確認が煩雑になるからでしょう。かえって私どものような規模の小さい金融機関にとっては便利な機能だと思っています。

部門を超えたプロジェクトチームが活躍

金融機関にとって業務改革は簡単ではないと伺っていますが、貴金庫ではどうだったのでしょうか。

まずは、長年の慣習を疑ってみることからでしょう。例えば、メールしか連絡手段がなければ、それであらゆる連絡をするようになり、特に問題視もしないでしょう。でも、情報の検索性や議論の経過をみる上では、掲示板や電子会議室のほうが優位です。こういう気づきにどう対応していくかがポイントで、業務改革には「変える必要性の共通認識」を広める活動が重要になると思います。
ただ、一部の部門が声を上げても、なかなか具体化できません。そこで、各部門からメンバーを選出して、業務改革を推進する「おんしんイノベーションプロジェクトチーム」を発足させ、議論を重ねながら庫内の合意を得るようにしました。最終的には、経営陣による推進本部会議で承認を得て、導入に至ったという経緯です。

ユーザ会にも積極的に参加されています。参加してみていかがでしたか。

ユーザ会の掲示板は日常的に利用させてもらっていますが、やはり利用されている企業や金融機関の生の声が聞けるのがいいですね。昨年の会合でも、とても有意義な時間を過ごすことができました。とくに「システム連携」という部分は大いに参考になりました。今回のコロナ禍ではユーザ会自体の開催も大変かと思いますが、オンライン開催を含めて、これからも期待しています。

今後の展開と弊社への要望をお聞かせください。

スマートフォン連携を実現させたいですね。まずは、営業職員を中心に導入を検討しています。最終的に全職員に行き渡れば、業務効率化がいっそう前進すると考えています。
POWER EGGは、当金庫の基本的な業務を支えるシステムです。今後も変わらないサポートを期待しています。引き続き、よろしくお願いします。

企業プロフィール

遠賀信用金庫

「スモール・イズ・ナイス」と「利回りより身の回り」を合言葉に、北九州市八幡西区から福岡市東区に至る地域とともに生きる「地域のベスト金融機関」を目指している。分かりやすくタイムリーに経営状況を伝える「おんしんの通信簿」、さまざまな相談に応える「暮らしのあんしんコーナー」、土日も利用可能な貸金庫やトイレを備えた「地域共生店舗」など、ユニークな取り組みを展開している。

名称 遠賀信用金庫
本部所在地 福岡県遠賀郡岡垣町東山田2丁目3番3号
創業 1949年(昭和24年)9月8日
出資金 2億7百万円
店舗数 15店舗
役職員数 210名
預金 2193億37百万円
貸出金 1274億61百万円
URL https://www.shinkin.co.jp/onga/

取材:2020年8月