導入事例

株式会社 沖縄銀行 様

「銀行業務の生産性向上支援システムとして期待。
稼働1年半で著しい時間削減効果を創出できました」

※本事例に掲載されている情報は、取材当時のものです。
地域密着・地域貢献を経営理念とし、3カ年の計画で「お客さま目線」の姿勢を持って新たな時代に向けた「業務革新(チェンジ)」を実行し、その定着により「お客さま目線の新たな価値(バリュー)」を創造・提供して、持続可能なビジネスモデルの構築につなげて行くことを目標とする沖縄銀行様。そしてこの中期経営計画の具現化を図るための、ターボエンジン的役割を担うシステムツールとして着目され、導入されたのがPOWER EGG2.0です。
2015年6月から総合企画部、事務部、システム部の3部で試行的に稼働を開始し、同年10月には全部署合計約2,200LSで稼働しました。
今回はPOWER EGG 2.0を見出した総合企画部・永田業務革新部長および、同じく総合企画部・業務革新プロジェクトの中心メンバーであり「パワーエッグの伝道者」として活躍されている美差(みさし)調査役のお二人からお話を伺いましょう。

「お客さま目線、お客さま満足」をテーマとする
中期経営計画の推進支援ツールを求めて。

(右)総合企画部 業務革新部長          永田  真 氏
(左)総合企画部 業務革新プロジェクト 調査役  美差 正卓 氏

パワーエッグの導入経緯、および導入契機について教えてください。

「お客さま目線、お客さま満足」を中期経営計画のテーマに持つ沖縄銀行様。

永田部長:お客さまの満足を上げるには、お客さまと接する場面がある営業店に「チカラ、人、時間」がないといけない。そのためには本部自体をスリム化して、本部の人員を営業店に送れるようにすればよいのではということになりますが、そのためには本部業務の生産性向上(システム化)が必要になるといった流れで、検討を開始しました。

パワーエッグ導入前の課題、また導入の狙い・目的を教えてください。

導入前の課題 導入の狙い・目的
経営面 本部各部の業務状況、経営陣が指示した業務の期日管理状況が各部それぞれで管理方法がバラバラ。会議を開いて情報共有が必要だった。 「業務の視える化」を図ることで、業務情報の蓄積による本部業務のスリム化を実現する。
業務面 申請書類が全て紙での回覧、保管のため回覧時間・保管場所を要する。修正を要する場合、差替えや再度回覧等に時間を要する。 「電子ワークフロー」によるペーパレス化、意思決定のスピード化を促進する。
システム面 職員のスケジュールが見えないため、会議等の日程調整に時間を要する。 「スケジュールの視える化」を図ることで、日程調整だけでなく会議資料の事前閲覧も可能にして会議等における意思決定のスピード化を促進する。
電子メールを送信しても、相手が確認したかどうかを別途電話等で確認していた。 「アシストメッセージ機能」により気づきを与えることで早期確認を実現する。
その他 集計業務で手作業やエクセルによる集計等、属人化した業務が多い。 「業務の視える化」により本部業務のスリム化を図る。
電話応対時に紙の伝言メモを使用しており、その都度業務が中断する。 業務中断による思い出しに要する時間を削減し業務効率化を図る。

経営陣からの指示事項等の進捗が視える化できると提案

検討から導入決定までのスピードの早さが目立ちますが、パワーエッグ選定の決定要因は何でしたか?

永田部長:私の場合は「アシストメッセージのPush機能」ですね。情報や連絡を自ら探しに行くのではなく、Push型で教えてくれる機能が決定打でした。今ではもう朝パソコンを立ち上げ4分割画面のアシストメッセージを見ないと仕事が始まらない状態です。お昼帰ってきて見て、退行する前に見る。ここで「今日こんなことがあるよ」とか「今日これをするように」とか知らせてくれ、しかも部下の状況も見ることができるから、管理上とても便利です。処理が片付けばメッセージも消えていく。ある意味、「自分の上司」のような感じですね。

アシストメッセージ画面

美差調査役:スケジュールが互いに見えるのがいいですね。例えば電話1本かけて相手が不在だったら改めて電話する訳ですが、その前に相手のスケジュールが見えるので必ず電話に出てもらえる時間がわかる。確実につながる時間がわかるし、伝言を飛ばしておいたりできるので非常に効率的です。

永田部長:以前はメールを送っても一方通行で、長い間返信が来ないとわざわざ電話をかけていました。いま思えばすごくバカバカしいことですが「メールを送ったんだけど見てくれましたか?」なんてことをやっていたんです。
パワーエッグの社内メールは、開封時間が見え、またそのメールに対してコメントがつけられるので、関係者全員に情報共有がすぐできて、すごく便利です。1本のメールにコメントが次々付けられ、関係者みんなで集まって会議しているような感じになりますね。

パワーエッグ導入について、どうやって経営サイドの理解を得たのですか?

総合企画部 業務革新部長  永田 真氏

永田部長:中期経営計画の具現化にあたり、成長戦略のひとつである「営業店への人員シフト」に向けて、経営サイドも本部業務の生産性向上を図るという共通認識が元々ありました。
「経営陣が指示したことがどうなっているのか、その進捗状況が全て確認することができます」と説明しました。例えば経営会議が毎月1回ありますが、その場でいろんな指示が出ます。議事録も残しますが、指示事項の進捗状況が分からなくなるケースがありました。
でもその指示を、パワーエッグに登録すれば、自分の指示したことがどのように進捗しているのかが見えるようになります。また、起案や承認伺いなども、ルートが見え、いまどこで止まっているかがわかります。
経営陣からは、様々な業務、作業等の進捗管理が視える化され経営判断が的確に行える点を評価いただいたと思います。

美差調査役:パワーエッグ導入前は、役員や部長の席に決裁書類が山積みの状況で、特に出張等でデスクを2~3日空けると書類が更に山積みとなり、このストレスが大きかったのですが、ワークフローはスマートフォンにも対応しているので出先でも決裁できるようになりました。パワーエッグによりペーパーレス化が図られるようになり、こうしたストレスは解消できたと思います。

永田部長:いまではもう、会議の席上などでも役員から「パワーエッグ」という言葉が普通に飛び交い、「この件、パワーエッグで何とかできないの?」なんて話が出ます。すべての業務効率化の窓口としてパワーエッグが機能しており、何か格別に評価するというよりも、パワーエッグでやっていないことがおかしい、という雰囲気ですね。

当初計画の倍増目標を設定。32,000時間削減を目指して。

導入効果はいかがですか? まずは定量的効果についてご紹介ください。

永田部長:決裁業務における時間削減の実感は、確かにありますね。数値目標として、今期2016年度の当初予定は「15,000時間/年」削減だったものが、今期末までに32,000時間に目標を修正しています。実のところ上期だけで15,000時間を達成したんです。
ワークフロー活用による、時間削減などの定量的効果はかなり大きいです。例えば以前は本部・事務センター間の書類の持ち運びや押印、書類の承認・回覧状況をあちこちに電話で確認していたんです。しかしいまは書類が行方不明になる心配はありません。修正があっても、いちいち紙を差し替えする必要もない。何かあればワークフロー上で戻して修正し、またワークフローに乗せればよい。こうしたスピード化は、以前とは圧倒的に違います。書類回付の手間とか、差し戻しなどに伴うロスが全然違いますね。

『パワーエッグ設定依頼』という独自のしくみがあるそうですね。

パワーエッグにワークフロー等を追加したい場合、『パワーエッグ設定依頼』に基づいて設定し、定量効果の算出にも活用しています。

美差調査役:「●●●申請書を作りたい」「WebDBを活用した報告書を作りたい」などの場合に、現場(依頼部署)はまず「パワーエッグ設定依頼」にて総合企画部に設定依頼を行いますが、依頼部署は単純にパワーエッグ化するのではなく、「そもそも無くせないか」「簡素化できないか」など従来の業務をいかにして効率化するのか見直しを行う必要があります。そして、この依頼内容を総合企画部で確認してシステム部につなぎ、パワーエッグ対応できるよう構築してもらい、その構築内容を依頼部署に戻して再確認した上で運用を開始するんです。定量効果の算出については、その設定依頼の際に、「発生件数=1年間で発生する件数」と「効率化(時間)=1件あたりの削減される時間」を入力することがポイントで、これが効果算出のベースとなります。

パワーエッグ設定依頼画面

美差調査役:この『パワーエッグ設定依頼』での要望によって、計算上で削減された時間の累積が先ほどの32,000時間というわけです。現在もワークフローだけでなくWebデータベース活用がらみの要望なども増加しているので、だから削減時間がどんどん増えています。
もちろんこれらには、グループウェアの活用による削減時間は含まれていませんから、それらを計算に組み込むと実際にはもっと削減時間が増えていることになりますね。

迅速・適切な対応で、
営業店の業務品質・サービス品質がアップ!

定性的な効果はいかがですか?

美差調査役:以前、営業店では「お客様からの喜びの声」「クレーム」などを紙でおこしてお客様相談室に届け、それを受けてお客様相談室が所管部署にその書類を回し、さらにそのあと全役員に回り、結局書類が当該営業店に戻って来るまでに2週間から3週間かかっていました。当然、対応が後手後手になってしまいます。それがいまは、ワークフローに変わって3日ぐらいで書類が戻って来て、適切な対応が迅速に打てます。営業店の業務品質、サービス品質の向上効果が大きいですね。

習うより慣れろ。ともかく各部署で
何かを作ってもらうことが運用定着を促す。

運用定着化の工夫について教えてください。

永田部長:基本は「使いながら慣れてもらう」ことです。「いまは紙で回している○○申請をパワーエッグでやったらどうですか?」などと提案し、その設定作業を総合企画部で手伝いながら各部署に慣れてもらうわけです。

美差調査役:例えば、現場(営業店)が本部に申請する「本部申請書」は、これまで紙で作成し本部へ申請していましたが、これが電子化されると、手続きも簡単でスピード感も実感してもらえます。
行員たちに、以前の紙とは違う効果があることを実感してもらえる。そういうのをパワーエッグに乗せて行くんです。元々紙の書類があるわけだから、それをベースにしてパワーエッグにアレンジするだけ。簡単で、すぐに慣れます。 1つ作るとそれを皮切りに「へえ、こういうことができるんだ〜」「じゃあこれもできない?」といった風に、あれもこれもという感じで増えて行きました。

総合企画部 業務革新プロジェクト 調査役
美差 正卓 氏

Webデータベースを活用して
地域での情報や報告を「CSだより」に。

現場(営業店)サイドなどでのパワーエッグの興味深い活用方法を教えてください。

美差調査役:Webデータベースを活用した「CSだより」などが面白いです。従来、各営業店が地域のお祭りや勉強会に参加した実績、すなわち地域にどれだけ貢献できているかといった報告を「お客様相談室」にて取りまとめていました。各店から参加時の写真や内容を電子メールで送ってもらい、ワードに貼り付けて「CSだより」を作成し全店へ発信していました。それがいまはパワーエッグのWebデータベースを使い、各支店が報告や情報を「CSだより」というデータベースに登録します。各支店が情報発信すると、全職員のアシストメッセージに「CSだよりが何件あります」と表示されます。そしてそこを見れば、各支店がどのような地域活動を行っているのかがすぐに分かります。「○○通り会の正月イベントに参加しました」「うちではいま、ロビーでこんな展示イベントしてますよ」「沖縄マラソンの応援をしました」など、お互いの地域情報やイベント情報が自動的に交換できるんです。もちろん「お客様相談室」としてもとりまとめ業務がなくなった分、新たに違う付加価値の高い業務に取り組むことができますから嬉しいですね。

[CSだより]掲載レコード

次の課題は営業店の生産性向上。
システム連携の緊密化も検討中。

今後のパワーエッグ活用について。
これから強化したいこと、予定されていることなどを教えてください。

永田部長:営業店の生産性向上にもっとパワーエッグを活用したいと考えています。
現在は営業店にあるパソコンでパワーエッグを活用していますが、店頭のテラーが使用する窓口端末でもパワーエッグを活用できるようにしたいと考えています。
また諸届相談窓口にもタブレット端末を置き、パワーエッグが使えるようにしてさらなる効率化を図りたいですね。

美差調査役:営業店での活用普及と同時に、Webデータベースを活用した業務改善提案を活性化したいですね。実際、よく活用している営業店からは「会議室管理」など全店で活用できるアイデアも届いています。各々が業務の効率化を意識するようになれば効果はさらに大きいと思います。

永田部長:現在は、出社して銀行内イントラネットにつなぐとパワーエッグが自動的に立ち上がります。そこには、銀行が保有する各種システムからの通知(預金満期、融資期日、預り資産満期 等、当日対応すべき業務)を確認することができます。
こうしたシステムとの連携強化がこれからの課題ですね。例えば「昨日の実績」とか「現在の預金残高(支店別)」とか、どの支店長も欲しがるような情報(数字)をパワーエッグのスタートアップ画面に出せるようにしたい、と考えています。
朝出社してパワーエッグが立ち上がったらすぐ営業会議が始められる...。そんな日がまもなくやって来るのでは、と期待しています。

企業プロフィール

株式会社沖縄銀行様

創立 1956年(昭和31年)
本社所在地 沖縄県那覇市
資本金 22,725百万円
店舗数 65店舗 [県内60店・県外1店(東京支店)・出張所4店]
主な業務 ・預金業務、貸出業務
・有価証券売買業務、有価証券投資業務、内国為替業務 等
・信託業務
従業員数 1,099名(パート・嘱託除く、2016年3月末現在)
  • 企業データ:2016年7月1日時点

導入時期・その他

POWER EGG 導入時期
2014年10月
FIT展でPOWER EGG2.0 について認知(東邦銀行様の事例を聴講)
2015年4月
POWER EGG2.0導入を経営陣に具申
2015年6月
本部・総合企画部などで試行的に稼働開始
2015年10月
全部署でPOWER EGG2.0稼働開始
稼働ライセンス数 約2,200ライセンス(銀行/その他グループ)
稼働機能 ベースシステム、グループウェア、ファイル管理、汎用申請ワークフロー、Webデータベース、スマートフォンOP(各機能いずれも2,200ライセンス)
販売パートナー 三谷産業株式会社
取材ご協力者 ・総合企画部 業務革新部長            永田  真 様
・総合企画部 業務革新プロジェクト 調査役    美差 正卓 様

取材:2017年3月