のと共栄信用金庫 様
通達や申請を半年間でデジタル化、
年間16万枚のペーパーレスを実現しました。
のと共栄信用金庫は、石川県の能登・金沢地域を事業区域として運営されている金融機関です。
地元の中小事業者・住民の皆様が会員となり、お互いに助け合い発展していく「相互扶助」を理念に掲げておられ、金融を核としたサービス業として金融機能の発揮はもとより「自然保護」「文化振興・承継」等、地域経済や地域社会の持続的な発展に貢献されています。今回、POWER EGGの導入背景と効果について、業務効率化推進室 副室長 今井 幹久氏、同室 平野 裕之氏に詳しく伺いました。
背景 |
・通達・事務連絡を紙で回覧していたため膨大な印刷が必要で、時間がかかっていた ・申請や稟議もすべて紙に依存していたため、審議に時間を要していた ・庫内の連絡が電話ベースのため、確認作業にムダが発生しがちだった |
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活用状況 |
・グループウェアの導入により、紙による回覧を撤廃。すべて掲示板で済むようになった ・汎用申請ワークフローの導入により、決裁時間の短縮とペーパーレス化を達成した ・社内メールの活用により、庫内電話の習慣が一変し、業務効率化が実現した |
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年間16万枚もの紙資料を削減
今回、導入した製品・サービスを教えてください。
業務効率化と申請等のペーパーレス化推進のため、POWER EGGを導入しました。選択した機能は、グループウェア、汎用申請ワークフローとWebデータベースで、全職員分330ライセンスずつとなります。導入決定は2021年11月、本稼働は翌年4月からとなりました。
導入は管理者が2名ということもあり、2段階に分けて行いました。第1段階ではグループウェアを導入し、職員への浸透度合いを確認した上で、第2段階で汎用申請ワークフローとWebデータベースの導入を進めました。移行期間が半年間で済んだのは、構築に携わっていただいた三谷産業さんが管理者向けや利用者向けにオンライン講習会を実施いただくなど、充実したサポートがあったからだと感じています。
POWER EGGの導入効果を教えてください。
結論から先に申し上げますと、年間16万枚のペーパーレス化を実現しました。POWER EGG導入前は、申請や稟議のほか、庫内への通達事項や事務連絡などもすべて紙で行っていました。この通達・事務連絡に多くのムダがありました。以前は紙で印刷したものを回覧・押印していたのです。これをPOWER EGGの掲示板に置き換え、13万枚を削減しました。残りの3万枚は申請・稟議のデジタル化で実現しました。
劇的な変化ですね。移行の秘訣を教えてください。
以前のグループウェアでは取扱要領等の掲載方法が不統一なため情報がバラバラになっていました。そこで、POWER EGGでは掲載ルールを徹底しました。例えば掲示版に掲載する情報のフォーマットを統一し、利用ルールも細かく決めて明示しました。せっかくデジタル化しても、各部署で掲載方法が不統一ですと、結局、どこに何が掲載されているかがわからないという状況に陥ってしまいますので、そうした問題が生まれないように統一方針を定めました。
また、グループウェアの機能としては用意されていても、使いこなしが難しいものは、あえて使わないという判断もしました。さきほどお話した掲示板を例に取ると、件名に文字色や太字などの装飾機能を使わないルールにしたことです。
別な例としては、イベント機能があります。これも登録時の重要度合いの設定基準を設けるのが難しいため、この機能は使わず、スケジュール登録を重視することにしました。
かなりの徹底ぶりですね。他にも活用した機能はございますか。
個人間の連絡は電話から社内メールに切り替えました。やりとりがブラックボックス化していた通話内容の可視化が実現でき、言った言わない問題もなくなりましたね。また、メールを共有することで、回答の正確性を向上することもできました。
他の業務時間にあてる時間も生まれ、大変効果的だったと感じています。いまでは、社内メールを活用することにより、至急案件以外での庫内電話は使用しないようになってきました。
それは大きな変化ですね。業務に対するマインドチェンジがあったということでしょうか。
そうですね。これまでは、電話でのやりとりがありきの業務から抜け出せず、「電話をしないと相手に伝わ
らない」と言っていた職員もいましたし、「社内メールをしたけれど、開封されていないよ」と電話で催促する職員もいました。
しかし、ある瞬間からそのような職員も、「急ぎではない要件なら、社内メールで送ってほしい」と営業店に対して伝えるようになってきました。
社内メールというツールが導入されたことにより、自分の都合を押し付ける電話をやめて、それぞれの都合にあわせた連絡を取り合う習慣が生まれました。
これは大きなマインドチェンジだと思います。
まだまだ業務のムダを改善する取り組みは必要だと思いますが、根気よく続けていき、成果につなげたいと考えています。
汎用申請ワークフロー機能が導入の決め手に
POWER EGG選定の決め手はどのようなところにありましたか。
POWER EGGは、それまで紙で行っていた申請書や報告書をデジタル化できる「汎用申請ワークフロー」が標準で用意されていることから、私どもが求めていたペーパーレス化を実現できるのではないかと思ったのが、第一の理由です。
また、特別なカスタマイズが不要で、自由に帳票作成ができるのも現場で浸透させるには良いと感じました。金融機関での実績が豊富であることも選定にあたっては大きな安心感につながりました。
柔軟なサポート体制も求めていましたが、これについても構築に携わっていただいた三谷産業さんが営業からSEのサポート支援までが充実しており、支援体制がしっかりされていると感じられました。導入後に一番ありがたかったことです。
導入後に、職員の方の仕事に対する変化は感じられましたか。
はい。実は、導入前の段階では、ITに抵抗感のある職員も少なからずいました。そうした職員でも、いまでは使いこなせるようになり、「この書類もPOWER EGGでデジタル化できないか」と提案してくるようになりました。
DXを進めていくには、職員のITリテラシーの向上は必ず必要になります。POWER EGGを通じて全職員のITリテラシーの引き上げができたと思っていますし、今後もいっそうの業務効率化を進めていきたいと考えています。
本日のお話から、粘り強く運用ルールを徹底していることを感じました。
POWER EGG導入の少し前に、業務効率化推進室というのが開設されて配属になったのですが、私自身は30年近く営業店勤務でした。その時代に使っていたグループウェアをみては、「自分だったらこういう風に整理するのに」という強い思いはありました。
今回、業務のデジタル化をゼロベースで再構築できるとあって、今回のプロジェクトは必ず成功させたいという思いが大きかったのかもしれません。
当庫の理事長である鈴木が、庫内でいちばんIT利活用の意識が高く、刺激を受けたのも大きかったですね。
ある日、POWER EGGの説明に伺ったときに「こうすれば他の職員に対して理事長のスケジュールを非表示にすることも可能です」と説明したところ、「非表示にする必要は全くないし、むしろ全職員に共有して、なんなら空いている時間に予定を入れてもらってもいい」と言われたのです。理事長の情報をオープンにする姿勢を見て、POWER EGGを通じて組織の風通しを良くし、生産性向上につなげなければいけないなと感じた瞬間でした。
最後に、今後の展望をお聞かせください。
現時点では、Webデータベースの活用については道半ばといったところです。各種管理簿など、まだまだ紙のものがありますので、これらをWebデータベースで実現していきたいと思っています。また、既存のシステムをWebデータベースに置き換える取り組みも進めており、すでに一部でシステム更新費用の抑制に寄与しています。
Webデータベースを利用する中で、まだまだできることが無尽蔵にあると感じています。今後もPOWER EGGをフル活用して、業務効率化を推し進めていきたいと考えています。
のとしんにんじん
コラム のとしん「ペーパーレス化への道のり」
グループウェアと汎用申請ワークフローの組み合わせで、紙の大幅削減に成功
- グループウェア
- POWER EGGの導入とあわせて、全役職員にPCを支給したのがターニングポイントとなった。庫内への通達事項や事務連絡などは、紙による回覧からPOWER EGGのグループウェア機能のひとつである「掲示板」に移行。この施策が最もペーパーレス化に寄与し、年間13万枚分の削減効果があったという。
- 汎用申請ワークフロー
- 全て紙で行っていた申請業務をデジタル化。さらに年間3万枚分の削減を達成した。デジタル化の効果として、決裁の見える化も実現。結果的に決裁スピードも大幅に短縮できており、申請当日に決裁されるケースも増えてきているとのこと。コメント機能でやり取りを残せるのも大変便利とのことだ。
企業プロフィール
石川県の能登・金沢地域を事業区域として、地元の中小事業者・住民の皆様が会員となってお互いに助け合い発展していく事を共通の目的として運営されており、相互扶助を理念として掲げる。
「金融を核としたサービス業」として経営支援や資産形成支援などの金融機能の発揮はもとより、「自然保護」「文化振興・承継」及び「人的資源の育成」「地域コミュニティの維持」など、さまざまなSDGs活動を通じて地域社会の持続的な発展に取り組んでいる。
正式名称 | のと共栄信用金庫 |
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所在地 | 石川県七尾市桧物町35番地 |
設立 | 1915年5月 |
預金残高 | 3,343億円 |
貸出金残高 | 1,773億円 |
職員数 | 295名 |
URL | https://www.shinkin.co.jp/notoshin/ |
※本事例に掲載されている情報は、取材当時のものです。
取材:2023年5月