導入事例

神奈川銀行 様

「オールインワンのPOWER EGGは、
当行のデジタル化を推進するのに
最適なソリューションでした」

「地域の皆さまから信頼され、支持され、地域とともに発展する銀行」という経営理念のもと、神奈川県を中心として地域とともに発展し、お客さま本位での金融サービスを展開している神奈川銀行。同行におけるPOWER EGGの導入背景や取り組みについて、取締役 本井 浩之氏、事務部 主任調査役浅井 崇博氏、総合企画部 木下 勝平氏に詳しく伺いました。

背景

・行内の業務が紙ベースであったため、決裁や回覧でさまざまな無駄な業務が生じていた

・各種報告が行内メールの添付ファイルで行われていたため、部門をまたがる連携や集計などが煩雑化していた

活用状況

・Webデータベースや汎用申請ワークフローを活用し、業務のペーパーレス化・見える化が進むことで、業務スピードが上がった

・業務のデジタル化が進んだことにより、現場で自発的に効率化に取り組む機運が高まった

行内デジタル化の一環としてグループウェアをリプレース

今回、導入した製品・サービスを教えてください。

2022年9月にオンプレミス版POWER EGGの汎用申請ワークフロー、Webデータベース、グループウェアを各570ライセンス導入しました。ライセンスはパート職員を含む全従業員分となります。同年10月に一部機能の先行利用を開始、翌年4月から本稼働しています。

取締役 事務部長 兼 総合企画部 デジタル戦略室長 本井浩之 氏
取締役 事務部長 兼 総合企画部 デジタル戦略室長
本井 浩之

POWER EGGの導入の背景・きっかけをお聞かせください。

2021年4月に検討を始めた当時は、融資の稟議を除くほとんどの業務が紙で行われていました。営業担当者もデスクトップPCで業務をしていましたし、その他の部署では1台のデスクトップPCを共有する状況でした。基幹サーバーやグループウェアの更改期限もありましたので、これを機会にデジタル化を推進しようということになりまして、全従業員へのモバイルPC貸与を含めたインフラ整備の一環として、POWER EGGを導入しました。
他行の先発事例を参考にしつつ、さまざまなセミナーへの参加や、ベンダーとのやりとりを通じて、半年ほどかけて情報収集を行いました。神奈川銀行としてのロードマップを描いていく中で、「グループウェアは重要だよね」という共通認識になり、複数の製品を比較検討しました。その中でディサークルさんは、北國銀行をはじめとする豊富な先発事例を有し、ノウハウやテンプレートをご提供いただけるということもあり、納得感のあるご提案をいただけたと思っています。

比較検討の上で、POWER EGGが良いと感じた点をお聞かせください。

オールイン型で提供されている

グループウェアだけでなく、Webデータベースや汎用申請ワークフローもセットで導入できる点が大きな魅力でした。以前は、営業店から本部へ報告書を送る際、WordやExcelファイルをグループウェアの行内メールで送信し、それらを一つのフォルダに集めてから個々に転記・集計するという、非常に手間のかかる作業を行っていました。こうした作業も、Webデータベースを活用すれば大幅に効率化できるようになります。また、稟議についても汎用申請ワークフローの活用により効率化とペーパーレス化を図ることができます。
これらを一つの画面から操作できることが非常に便利だと感じました。導入を主幹する立場としても、POWER EGGの導入で複数のツールを導入したのと同じ効果が得られますから、導入の負担も1回で済みました。

金融機関の事例と豊富なテンプレート

情報収集の中で見学させていただいた金融機関を含め、多くの金融機関でPOWER EGGを活用されていることを知りました。同業種における先発事例が豊富にあることは、非常に参考になります。しかも、金融業界の実績を基に作成された無償提供のテンプレートが豊富に用意されていると伺いました。取り組むべきステップが明確に示されているPOWER EGGは、当行にとって最適なツールであると判断しました。

専門チームの支援で行内へ浸透

POWER EGGの導入プロセスを教えてください。

POWER EGGを早く浸透させたいのは山々ですが、行員に受け入れてもらえなければ、業務に支障をきたすような状況に陥りかねません。
そこで、2022年10月からの半年間をスモールスタートに位置付け、本稼働は2023年4月と全行員に通知。慣れるまでの助走期間を設けました。スモールスタートとはいえ、POWER EGGの全機能にアクセスできる状態。以前のグループウェアを使いながら、POWER EGGにも触れることができます。
また、このスモールスタートは、Webデータベースの報告書づくり、汎用申請ワークフローで活用する稟議書のテンプレートづくりの期間として利用しました。8つの部署からそれぞれ1、2名が参加するプロジェクトチームを発足、移行対象となる様式を洗い出し、定期的な進捗確認をしながら、部署内で主体的に移行作業を行ってもらいました。結果、この期間に作成したWebデータベースは236種類にのぼりました。内訳は日次報告が5、月次報告が30、都度報告が153などです。

事務部 主任調査役 兼 総合企画部デジタル戦略室 主任調査役 兼 総合リスク管理室 主任調査役 浅井 崇博 氏
事務部 主任調査役 兼 総合企画部デジタル戦略室 主任調査役
兼 総合リスク管理室 主任調査役 浅井 崇博

Webデータベースに移行した報告書の具体例を教えてください。

当行の業務ですと、審査部に融資の返済状況を日次で報告する不渡り延滞速報ですとか、営業店が月次で報告する月末融資量・資金量報告、都度発生する異動やクレーム対応といった報告など、さまざまな報告があります。
中には営業店、事務部、審査部をまたがるような報告書もあります。紙でやりとりしていた頃は、部門ごとに別の報告書が飛び交っていたので管理が煩雑でしたが、Webデータベースにしてからは共通化して情報共有を簡素化できました。

ECRSに沿って業務自体を見直し

Webデータベースへの機能移行には、ECRS(改善の4原則)の考え方が役立ったそうですが、詳しく教えていただけますか。

紙ベースのやりとりがなくなったことで、検印や回覧、その準備作業としての複写や採番といった行為がなくなりました。手形や保証書といった現物のやりとりに伴う連絡や確認作業も、大幅に省力化できました。
以前は、電子化されたファイルのやりとりですら、紙に印刷して帳票と一緒に送るやりとりをしていました。承認や記録のためだけに存在していた紙の往来による無駄な作業が、かなりなくなったと思います。
ECRSの考え方が役立ったのは、Webデータベースだけではありません。グループウェアのファイル管理や掲示板機能においても、利用者の視点に立って掲載ルールを再整理しました。
例えば、組織変更によって意味をなさなくなる部署名フォルダを廃止し、業務種別ごとの名称に統一。また、ルートフォルダの乱立を防ぐため、フォルダの新規作成を原則禁止しました。
掲示板は、通達や金利情報など日々の情報発信の場と位置付け、掲示期間を最長3年間に設定。一方で、ファイル管理では、最新の規程・マニュアル・帳票の3種のみを保管対象とするなど、それぞれの用途を明確に区別しました。
このように、移行を契機に業務プロセスの見直しを行い、運用ルールを明確化しました。データ移行は手作業で進めたため整理には苦労しましたが、以前のグループウェア運用での課題を反省点として活かし、大幅な改善ができました。

総合企画部 デジタル戦略室 兼 事務部 木下 勝平 氏
総合企画部 デジタル戦略室 兼 事務部 木下 勝平

汎用申請ワークフローの利用状況についてはいかがでしょうか。

営業店から提出される稟議書を汎用申請ワークフローに移行しました。もともと稟議書は定型化されていたため、スムーズに移行できました。導入効果としては、やはり稟議のスピードが大幅に早くなりました。以前は、部門をまたがる稟議の場合2、3日かかることも珍しくありませんでしたが、POWER EGG導入後は早いものだとその日のうちに決裁が下りることも少なくありません。現場業務のスピード化にも役立っていると思います。
また、通達発出においても大きな効果がありました。紙の時代は押印を伴う回覧が必要でしたので、どうしても時間がかかっていました。書類に付随する採番管理も、回覧する部署ごとに通番を付ける必要があり、手間がかかっていました。今回、通達発出を汎用申請ワークフローへ移行するにあたり、採番ルールを見直し、起案部門のみの通番としました。さらに、汎用申請ワークフローの同報を利用することで、通達発出のフローを簡略化しました。こうした取り組みで、決裁までの時間を大幅に短縮することができました。
申請状況の見える化による副次的な効果もありました。例えば緊急のラベルが付いた稟議があがると、承認者同士が声を掛け合い、迅速に対応するといったコミュニケーションが生まれています。申請者にとっても状況が可視化されることで、業務を円滑に進めやすくなったのではないかと思います。

自発的に業務効率化に取り組む意識が芽生えた

今後の展開をお聞かせください。

POWER EGG本格稼働から2年足らずですから、業務効率化に向けたデジタル化の効果はこれから本格的に表れると思っています。幸いなことに、現場からPOWER EGGが使いづらいといった声は出ていません。むしろ、「これはWebデータベースでできるのでは?」といった問い合わせや相談が各部門から多数寄せられています。現場において自発的に業務効率化を進めようとする意識が芽生え始めており、その手応えを強く感じています。
我々としては、POWER EGGに期待していたことは概ね実現できたと思っています。次はディサークルさんを通じてPOWER EGGの活用術を学ぶフェーズかもしれません。先日、ユーザ会にも参加させていただき、金融機関におけるさまざまな取り組みを拝聴し、大いに刺激を受けました。このような機会を今後も増やしながら、POWER EGGの活用を今後の取り組みにつなげていければと考えています。引き続き、ディサークルさんには手厚いサポートを期待していますので、今後ともよろしくお願いします。

企業プロフィール

神奈川銀行

1953年7月設立。2023年6月に横浜銀行の子会社となり、現在はコンコルディア・フィナンシャルグループ傘下に。「地域の皆さまから信頼され、支持され、地域とともに発展する銀行」を基本理念として地域の活性化に取り組んでいる。お客さま本位を徹底し、フェイストゥーフェイスでお客さまが困ったときに、最初に相談される銀行を目指して、資金調達から課題解決まで経営上のさまざまなニーズに応えている。

(2024年3月末時点)
名称 株式会社神奈川銀行
所在地 神奈川県横浜市中区長者町9丁目166番地
設立 1953年7月
出資金 61億9,100万円
店舗数 34店舗
従業員数 351名
預金 4,716億円
貸出金 4,059億円
URL https://www.kanagawabank.co.jp/

※本事例に掲載されている情報は、取材当時のものです。
取材:2025年2月