阪神高速道路株式会社 様
グループ会社との情報共有による一体感の醸成!
ペーパーレス化を推進し意思決定のスピード化を実現!
ビジネスポータルに求められるもの、それはグループウェアやワークフローの機能が充実していることはもちろんですが、同時に情報システムの運用管理者にとって「アドオン(独自の機能拡張)」「運用管理」「基幹システム連携」「ガバナンス」「セキュリティ」「拡張性」などの面で取扱いがしやすいこと。
阪神高速道路様が、POWER EGGをご評価いただいている点が、まさにこういう側面です。同社では、こうした製品特長を活かして様々なアドオンを試み、基幹システムとの連携やワークフローの活用(ペーパーレス化の推進)、グループウェアの多様かつユニークな活用を実施されています。
そして今やPOWER EGGは、全社共通のビジネスツールとして不可欠なものとなり、また同社グループ全体の共通ポータルとしての稼働準備も着々と進みつつあります。
阪神高速道路様は、2005年10月1日高速道路株式会社法により阪神高速道路公団から民営化しました。 同社は関係機関と業務を遂行する上で「書類をもって管理する」という、いわゆる"紙文化"が良くも悪くも不可欠でありました。
そこで同社情報システム部門は、そういう"紙文化"からすこしでも脱却できるよう、設立当初から業務のIT化、ペーパーレス化の取り組みに積極的に協力できないかと考えてまいりました。そんな時、基幹システムとも連携ができ、日常業務の 入口・出口として全社共通に使える業務ポータルとして出会ったのがPOWER EGGでした。その選定・導入・運用定着化を担当し、また導入以降の稼働・運用活性化を推進しているのが、情報システム室(室長以下9名で編成)の運用管理チームの皆さん。 今回はその運用管理チームの方々からお話しを伺いました。 POWER EGGの選定・導入から定着化の経緯、同社独自の活用方法、今後の可能性など全般にわたり、POWER EGGの活用状況についてご紹介致します。
ノミネートされた11製品の中から、
社員評価によるコンペでPOWER EGGを選択。
決め手は「アドオン(独自の機能拡張)」と「運用管理」
同社が本格的なグループウェアの導入を検討し始めたのは2005年の秋頃からである。それまでにも2製品ほど、グループウェア的な製品を使ってはいたが、それらはいずれも使い勝手が悪かったり、ちょっとしたアドオンにも業者の介在が必要となるうえに、その費用も相当高価な割には満足のいくものではなかった。
平野:弊社は前身が公的機関であったため、民間企業が用いるようなグループウェアを使用して業務を行うのは少し難しいのではないかと感じていました。そこで弊社の業務に対応したアドオンが必要不可欠だと考えておりました。しかし、その一方、業者主導のアドオンしかできない製品は、その費用が高価な割には弾力的な運用がほとんどできないとも感じていました。そこで、導入するグループウェアは、弊社主導でアドオンしやすいすいものが求められていました。
新しいグループウェアの導入は、ユーザーの採点によるコンペ方式で行われた。2005年秋頃から翌年の3月末までの約半年間をかけて、実に11もの製品を対象として、「操作性」「運用管理」「価格」「メール機能」「スケジュール機能」などの評価ポイントについて社員が採点する形で実施された。一次選考でPOWER EGGを含む4製品が残り、そして最終選考で選ばれたのが POWER EGGである。実際のところ、グループウェアの操作性や機能性については、一次選考で残った4製品のどれも遜色はないものであった。
ではなぜ、その中で POWER EGGが最終的に選ばれたのか?
情報システム担当者たちは、次のように説明する。
情報システム担当者:まず第1に、アドオン開発しやすい点がやはり大きいですね。コンペが終わったのが2006年3月。そこから仕様書などの作成に入り、実際の発注は同年7月。そして、稼働準備が8月から行われ、実際の稼働開始は10月から。この稼働開始までの約2ヶ月の間に、社員たちからの"こういう風に使いたい"という要望を反映するため、ディサークル社の協力も得てかなりのアドオン開発を加えました。例えば《秘書課が管理するスケジュール》。 これは見る必要のない人、見ることができる人、見なければならない人など、きちんと権限を付けて区別したいものです。もちろん秘書課は常に見られるようにしておかねばならないし、部長クラスの幹部も見られる方が都合いい。しかし、一般社員に見せる必要はない。こうした配慮を施してアドオン開発したのですが、これはユーザーに非常に評判が良く、高い評価を得ています。
続けて和田氏がこう語る
和田氏:第2は、運用管理がしやすい点ですね。いかにセキュリティがかけられ、ガバナンスが徹底できるか、ユーザーにとっての操作性や機能性はもちろんですが、われわれ管理者にとっても運用管理しやすいグループウェアであること。そこが着眼点の1つだったので、ここで POWER EGGに高評価が入ったようです。
また藪上氏も以下のように付け加える。
薮下氏:運用管理面の評価は大きいですね。というのも元々使っていたグループウェアは、組織図(ツリー構造)が作れなかったのですが、当社にとってはそれが必要だったのです。POWER EGGは、組織図を世代で管理しており、異動の際などに発令情報を予め埋め込める機能が大変重宝しています。 以前は、異動当日の夜に、時間をかけて新組織図を作り込んだり、あるいはその代わりに業者さんにお願いしたところ、一行書くのに100万円かかると言われたり本当に大変でした。異動のたびにグループウェアが2週間程度停まってしまうこともありましたが、現在はそのようなこともなく、ユーザーは異動先で、組織変更を意識せずにすぐPOWER EGGを使えます。これは情報システム管理者としては助かりますね。
なお平野氏は、前述の他にも次の3点をPOWER EGGが評価できるポイントとして挙げている。
- ・グループ会社間で利用できる
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平野氏:複数会社にまたがって使えることも選択ポイントの1つ。このような間接的なシステムは共通化した方が、当然運用管理コストが安くなりますから。また、拡張性があることも評価できますね。
- ・シングルサインオンでカンタン連携
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平野氏:シングルサインオンは便利ですね。他のシステムと連携しているので、アクションメニューをクリックすれば、自分の権限ですぐ当該システムに入れるから、ユーザーとしては非常に使いやすい。 例えば、会計情報システムとの連携は全社員の2/3の社員が、また人事システム、勤怠管理及び勤怠目標管理などは全社員が当たり前のようにPOWER EGGから入って使っています。 だから、中にはPOWER EGGを会計情報システムや人事システムそのものと思っているユーザーもいて、会計情報システムや人事システムにおいて障害が発生したときには、 POWER EGG担当の情報システム室に問い合わせの電話が来たりします。それだけ日常業務にPOWER EGGが不可欠のものとなっている、ということでしょうね。
- ・4分割画面について
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平野氏:4分割画面の設計思想がなかなか良い。システムの運用管理者としては"4分割画面はPOWER EGGの基本ルールなので、ユーザーが個別にレイアウトを変更できないという点が扱いやすい。
ワークフローおよびグループウェアの活用状況
"紙文化"からの脱却
2006年10月稼働開始
時計の針を少し戻して、POWER EGG稼働開始の頃のお話を伺おう。
平野氏:まずメール、次にファイル共有、そしてスケジュール、電子決裁などの順に活用を開始しました。版数管理ができるファイル共有の採用は、紙を減らしたいという目的に沿っているからです。
藪上氏によれば、導入時研修は以下のように行われた。
藪上氏:ディサークル社の協力を得て、全社員対象に1日2回、午前と午後に分けて20日間で通算40回の導入時研修を実施しました。1回あたり30人が受講でき、全社員の半分ぐらいが受講しました。残りの半分はと言うと、研修を受講しなくてもすぐに慣れてしまったようなのです。元々慣れているWebベースの操作なので、使っているうちに何となく馴染んで来た、という感じですかね。もちろん質問があったりしたらきちんとフォローしましたが、大変だったという実感は無いです。このように、人に馴染みやすいシステムである、という所もPOWER EGGの良い点ですね。
導入当初は
・やはり紙に書かないとしっくりしない。
・必要な機能がどこにあるのか分からない。
・文書のコピーを持っていないと落ち着かない。
などの反応もあったようだ。しかし、印刷はスクリーンショットでコピーできるし、速やかに処理される電子決裁を実感すれば当初の違和感はすぐに解消され、以前のように「あの書類がどこに行ったか見つからない」なんてトラブルも無くなり、今はとくに不満も出ず、みんな以前からあったように当たり前に使っているという。
ワークフローと内部統制
「POWER EGGの場合、ワークフローは格段に優れている」と平野氏は評価する。
平野氏:当社は元々が公団ですから、決裁は紙ベースのドキュメントがメインでした。また導入当時は"ノーペーパー化"とか"紙をなくしましょう"という意識が全社的に低かったので、電子決裁が理解されるのはなかなか難しいのではないか、という感じでした。実際、すぐには浸透しませんでした。しかし、例えば情報システム室が受け付ける申請関係ついてですが、従来、"貸出パソコンの申請"や"新しいID申請"などは紙の申請書で行っており、その書類にハンコを押して何百枚も保管していました。だからと言って"じゃそれを見るか"というと実際に見ることなどほとんどない・・・。そこで、このような情報システム室が受け付ける書類から電子申請にして行くことで、ユーザーに"こういう方法で申請できますよ"ということをまず知ってもらい、ワークフローを体感してもらうようにしました。
その結果、1年ぐらい前から関係各署と連携を図りながら電子決裁がかなり浸透し始め、現在は起案の内容によって違いはあるものの、添付書類が多いものや図面の添付を伴うもの等を除き、多くのものがペーパーレス化を実現している。経費精算についても、連携ソフトのPOWER WINGを使用し、出張経費などの経費精算はほとんど電子決裁で行われている。これまでは精算書を庶務がいちいち起票していたのだが、現在は、それを個人が電子決裁で処理するカタチとした。導入当初はユーザーが入力等で戸惑っていましたが、旅費計算が「駅すぱあと」と連携できるという機能があったため、次第に浸透していき、現在は経費精算をはじめ、事務系の業務処理はほぼ100%電子決裁になっている。
和田氏もこう指摘する。
和田氏:元々根強かった"紙文化"を払拭するために、POWER EGG導入は良いチャンスでした。POWER EGGを業務の入口とし、メールを使う、グループウェアを活用する、ワークフローで処理することにより各社員がPOWER EGGに徐々に慣れていき、それに伴い紙は減って行きました。ただ弊社の場合、電子決裁のルート設定が結構複雑なのですが、それを簡単にルート変更設定できる点もPOWER EGGの良い所ですね。 審議者や同報を決裁ルートに入れたり、あるいはルートからはずしたりと、弊社は非定型的なルートを設定することが多いですけど、POWER EGGはそのルート設定がラクだからとても便利ですね。
内部統制・ITガバナンスの徹底、という点での評価はどうだろうか?平野氏がまず挙げるのが「決裁スピードがアップした」点。そして内部統制の改善という点である。
平野氏:電子決裁にして、決裁スピードが上がりましたね。以前の書類による決裁なら、担当者の机上に積まれたまま決裁が滞ることがたまにありました。しかし、今はそれがないですね。電子決裁だと、"申請した人"も"決裁する人"も"稟議関係者"も、権限に応じて決裁進行状況を見ることが可能なので、決裁処理が速くなるんですね。差し戻しの場合も、コメントを記入したりして明確にエビデンス(証跡)が残せるので、決裁処理が迅速・確実になります。また差し替えの場合も、"差し替えをします"というコメントをエビデンスとして残し電子データで差し替えできますから、以前のように新しい書類を作る手間もない。結果、効率化が進むと同時に、机上の書類や持ち歩き書類が減り、内部統制やITガバナンス面でも大いに改善されています。ただ、内部統制上の今後の課題としては監査対策がありますね。電子決裁も当然監査の対象になります。だから、会計監査を受ける際にどのように対応していくのがよいのか、今後ユーザー分科会に参加している方々にお聞きし課題解決していきたいと考えています。
グループウェアの使い勝手について
これまでのグループウェアが弾力的な仕様が困難なものであったため、平野氏によれば、アドオン対応が柔軟なPOWER EGGはかなり評判が良いようだ。
平野氏:社員は積極的にグループウェアを運用していると思います。なぜなら、当社はグループウェアに関しては後進会社でした。スケジュールはバグが多くて使えなかったし、掲示板はユーザーが自分の権限で掲示できないものだったから、情報システム管理者に掲示依頼が全部来て、結局われわれ情報システム管理者が掲出しないと掲示板機能が使えなかったんです。だから以前はメール機能ぐらいしか使っていませんでした。
そういう状況の所にPOWER EGGが導入されたため、便利さを切に実感できました。メールの際にアドレスをいちいち調べる手間もないし、基幹システムを簡単に連携できるし、ユーザーにとって業務における良い環境を提供できていると思います。
同社独自のユニークな使い方のご紹介
では次に、POWER EGGの活用という面で、とくに同社ならではのユニークな使い方をいくつかご紹介しよう。
ホームページを紹介するトップページ画面
下の画面は、同社POWER EGGのトップページ画面である。 まず、画面下部に同社ホームページを紹介している。そして、画面上部は3エリアに分けられ「阪神高速グループスローガン」「落下物等発見時の通報について」「関西電力の電力使用量」(関西電力夏季節電期間中のみ)が表示されるというユニークな構成である。
平野氏:トップページは、POWER EGGを起動した際に必ず出てくる画面です。だから、いろんなカタチで全社員に情報を送れるように企画しています。POWER EGGのコミックでも紹介されているような"気づき"を促す画面構成です。
基本構成はこうである。
まず、上部の左部分エリア。
ここには会社の経営目標とか経営スローガンが掲出されている。POWER EGGはグループ会社でも共通稼働しているので、グループ会社で同じスローガンを見てもらえる。いわば阪神高速グループ全体で取り組む事項を掲出するエリアである。
次に上部の真ん中エリア。
ここは、今、会社が取り組むべき、または社員に意識付けるべき事項を掲出できるエリアである。とはいっても、もちろん勝手には掲出することはできない。各部門からの掲出依頼のうち、会社として掲出が必要であると判断された内容だけを掲出している。現在は、高速道路上にある落下物等を迅速に改修するための注意喚起として「落下物等発見時の通報について」といった内容の掲出を行っている。
そして、上部の右部分エリア。
ここは情報システム室として会社全体にお知らせしておきたい内容を掲出できるエリアである。これまでは時節柄、電力使用・節電に関する注意喚起情報を表示している。
そして、下部に、大きなスペースで自社ホームページエリアを設けている。
平野氏:朝出社してPOWER EGGを起動したら、自動的に会社のホームページがまず目に入るんです。次に会社の目標、そしてコーポレートナビを見て、3回目に目的のナビビューページに入ることになります。最初の頃はユーザーから"なぜこんなに煩わしいのか。何とかしてほしい"という声も確かにありました。でも、やはり自分の会社のホームページなのだから、朝来たらまずは1回見てもらいたいじゃないですか。ホームページへの評価も分かりますからね。
藪上氏:上部の右部分のエリアは、情報システム室が情報を掲出できるエリアなので、いろんな使い方で工夫しています。この7縲鰀8月の夏場は、現在の電力使用量を%で表示して節電意識の啓発に繋げていました。データ情報は1時間に1回更新できるようアドオンしています。こんな風に自分たちでアドオン可能なページがあると同時に、一方で通常の4分割画面は部門で勝手に変更できないようになっており、このようにPOWER EGGは、汎用性がある一方で動かせない原則もあるといった所が面白いですね。
各種の掲示板を活用~「役員会議」も掲示板を活用
同社ではグループウェア機能の中でも、掲示板をかなり多様に活用している。掲示板を作る際は申請制になっており、POWER EGGのワークフローで申請し承認された掲示板を情報システム管理者が作成する。階層づけて、複雑な操作も要らずに簡単に作れる点が重宝されているようだ。
掲示板の種類は多様である。
- 全社掲示板
- 部門に権限がある掲示板
- 出向者用の掲示板 (=グループ会社に出向している人のための掲示板。「人事情報」や「厚生行事の予定」などを掲示して出向者にも出向元の情報を適宜提供できるよう配慮されている。)
- グループ会社の経営者用掲示板 (=グループ会社の経営者層が見られるような環境を構築。グループ会社の経営者が、本社と常に情報共有するためのもの。)
- 会議室専用掲示板 (=会議資料のノンペーパー化を推進するために設けられた掲示板。)
ユニークなのが、この「会議室専用掲示板」を用いたノーペーパーの役員会議である。
ここでは当日の流れに沿って説明しよう。
- 無線LANがはられた会議室では、事前にタブレット端末が各役員席に配置され、その後、各役員が決められた席に着席する。
- 手元にも、机上にも、当日の議事次第以外の会議資料は見当たらない。
- 各役員はタブレット端末からシングルサインオンでPOWER EGG画面を呼び出し、会議室専用の掲示板にアクセスする。
- 会議資料は、この会議室専用掲示板に掲示されており、各自タブレット端末で会議資料を確認する。
- そして会議が行われる。
平野氏:議事次第以外の、紙の会議資料が一切要らない会議なのです。紙も、それをコピーするコストや人手も、資料をセットする人手も、セットされた会議資料を保管する場所も不要です。計算したことはありませんが、省力・省時間にかなり繋がっていると思います。弊社の経営者層にも大変好評な会議方式ですね。またこの方法だと、会議が終わりPOWER EGGを閉じれば、タブレット端末の方には会議資料のデータは残りません。だから、セキュリティ上の心配もありません。
実は、これと同じ会議システムを専用システムでやろうとするとおおよそ百万円単位の費用がかかるようです。 ところが、少し仕掛けが必要となりますが、POWER EGGのグループウェア機能(掲示板)を使えば、コストをかけることなく実現できるのです。 この仕組みは、ビジネスモデルとしても面白いのではないでしょうか。
このような掲示板とタブレット端末を活用したペーパーレス会議は経営者層に限らず、その他の会議参加者にも大変好評なので、今後はもっと増やして行きたい意向だそうである。
ワークフロー活用による人事ワンストップサービスを開始
POWER EGGのワークフローを使って、人事での「ワンストップサービス」も始まっている。姓や住所などの個人情報を登録変更する際に、POWER EGGにつないで申請を1回上げたらすべてOKというサービスである。従来のように、いちいち別々のいろんな関係の書類に同じことを記入する必要なく、1回の申請で全ての変更を完了できるというわけだ。
新防災システムも稼働目前に
実は、今年度末稼働開始予定の新防災システム、そこでもPOWER EGGの活用が検討されている。もちろん事故情報や防災情報などのデータは、各専門部門で運用しているシステムがあるのでそこで作成してもらう。 情報システム室としては、それをPOWER EGGを活用してどう連携させるかが課題となる。
POWER EGG導入・稼働による効果&評価
では、少し視点を変えて、POWER EGGの導入・稼働に関する評価や今後の要望について伺ってみよう。
- ●情報システム室の評価
-
平野氏:費面や時間面の定量的効果を計ったことはありません。しかし、管理業務としては、例えばノートPCの貸し出し管理が効率的に行えるようになったなど、もろもろの業務遂行上のムダがなくなり、スピードアップが図られている実感があります。また、人事異動のたびに必要となる変更で外注費用がかかることもなくなり、普通に使っている分には運用コストも安いと思います。従来の回覧でも掲示板で代用できるなど、様々な面でコストメリットは出ていると思います。
- ●ユーザーの評価
- たとえば
・掲示板を上げるのに、その都度必要な申請手続きがなくなり、迅速に掲示することができるようになった。
・スケジュール管理がしやすい。他の人のスケジュール予約ができる点も便利だ。
・元々はメールしか使っていなかったので、いろいろな機能があることを知って便利さに気付くことが多々ある。
・社内メールなら、外に出ないのでセキュリティ面で安心だ。関係者が「見たか、見ていないか」開封確認ができる点も重宝している。
など、かなり評判が良いようだ。 また、平野氏によれば
平野氏:弊社が推進しているノーペーパー化の中で、前述のタブレット端末と掲示板を使った会議は社内的に好評であったため、今後もこのような会議手法を活用して、いろんな会議に拡充していくつもりです。
しかし現在、定例会議の種類が20近くもあるため、メンテナンスやセキュリティ管理が肝要となってきます。ですから、会議関係者には権限の付け方をあまり複雑化しないように要請しています。こうして社内の会議をどんどんペーパーレス化して行くことで、業務のスピードアップを図るとともに、紙資源やコピー機の電気使用量を削減することで、わずかながらもCO2排出削減に寄与しているのではないでしょうか。
- ●営業管理面の活用効果
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同社の場合、モノを作ったり売ったりする普通の会社とは少し異なるので、なかなか営業管理面で活用するチャンスは少ないようだ。しかし今後は、アシストメッセージで《日々の通行台数》に関する情報をグループ会社間で共有するなど、営業管理面での活用機会も増えてきそうである。
- ●グループ会社間活用
- 現在、グループ会社とは1社(=阪神高速サービス㈱:派遣、駐車場業務、パーキングエリアの管理、カード事業)だけが繋がっている状態である。これが今年度中にあと4社繋げる予定で、最終的には6社でグループ間活用する予定。これからは、掲示板などを使った、リアルタイムな情報共有による一体感の醸成が期待されている。
今後の課題とディサークル社への要望
現在、同社では、モバイル対応・新世代スマートフォン対応の充実を図りたいと考えている。そこでディサークル社に対しては、
平野氏:現状の対応ではまだまだもの足りない。次世代を見越して、スマートフォン対応の加速化を望みたい。
という要望が出されている。
日常点検業務や防災体制下などではどうしてもモバイルツールが必要になるので、セキュリティを保ちながらも、次世代スマートフォンなどのモバイルツールでPOWER EGGを活用できるよう、アプリケーション開発を進めて欲しいという要望が出されている。
こうしてお話しを伺っていると、導入からわずか5年にもかかわらず、阪神高速道路様にとって、いまやPOWER EGGは日常業務を推進するうえで、不可欠のツールとなっている。そして同社ならではの、ユニークな活用も増えている。それゆえに、ご担当から出される要望も現実的で対応を急ぎたい課題が多い。同社はPOWER EGGユーザ会にも積極的にご参加いただいており、他の企業様との意見交換にも熱心である。同社のような意欲的なお客様の存在が、POWER EGGの更なる進化を後押しするエンジンとなっており、非常にありがたいことと言えるだろう。
企業プロフィール
阪神高速道路株式会社様
設立 | 2005年 |
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従業員数 | 約730人 (平成23年10月現在) |
所在地 | 大阪市中央区 |
主な業務 | ・高速道路の新設・改築 ・高速道路の維持・修繕・その他の管理 ・高速道路の休憩所等の運営 ・国・地方公共団体等からの委託による道路の建設・管理・調査等 ・その他の事業 |
導入時期・その他
POWER EGG 導入時期 |
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稼働ライセンス数 | 約1,150ライセンス |
取材ご協力者 | 情報システム室/課長代理 平野 和利 様 情報システム室/主任 和田 泰典 様 情報システム室 藪上 大輔 様 |