導入事例

株式会社幻冬舎メディアコンサルティング 様

日々の営業活動・編集業務などの「日報作成」、及びその業務に伴う「経費精算」をワークフローで即日同時に処理。
クラウドの利用により全社的な情報共有を図り、Webデータベースで契約管理なども推進。POWER EGGは、業務管理の効率化と精度向上を促す最適情報ポータルとして実戦的に活用されている!

株式会社幻冬舎メディアコンサルティング(以下「幻冬舎MC」と表記)様は、総合出版社・幻冬舎グループにあって、コンサルティングに基づく企業ブランディング出版サービス事業を行っています。設立は2005年、今年9年目の若々しい企業です。
"企業ブランディング出版"とは、事業法人や専門事業者(弁護士とか税理士など)を顧客とし、その「伝えたい」メッセージを読者が自発的に手に取るような「知りたい」情報(=書籍)に変え、書店を通じて情報発信することで企業のPRやIR、販売促進やブランディングに活かすという注目のビジネスです。コンセプトは「経営者の悩み、会社の課題を解決しましょう」。
企業経営者個人より企業を顧客対象とし、経営者の趣味で作る本ではなく、企業や事業者の課題解決に役立つ有益なメディアとして本を作り活用するのが特色です。創業から9年。この3月が終わって、総刊行点数が約500タイトル(顧客数450社くらい)に。1社で3〜4冊作っている企業も多いようです。

幻冬舎MC様の事業活動の基本は営業と編集。顧客を開拓して契約を結ぶ営業活動と、顧客コンサルティングを通じた出版物の編集業務が主になります。そこで各担当者が日々の業務報告を確実に行い、同時にその業務に伴って発生する経費の精算を正確・迅速に処理するために何か最適なソリューションはないか?その要望に応えてワークフローが強いPOWER EGGが選ばれ、2012年10月から導入・稼働が開始されました。

POWER EGG 導入の目的
「日報作成」と「経費精算」を同時、確実に処理できる
ワークフローが強いシステムが選ばれた

「今までバラバラな仕組や手書き処理をひとつのシステムで処理できないか?」。これが幻冬舎MCにおける新システム検討のきっかけだった。

横手部長:従来から他のグループウェアのスケジューラを使っていました。これはみんなもう当たり前に利用していたので、だからまずスケジュール管理ができるシステムであることが前提でした。例えば営業担当の場合1日に数カ所説明に回ります。そこで日々の交渉の報告内容が重要になります。編集担当も同様です。日々の作業進捗状況の報告が必要です。要は日報ですね。従来はこの日報を紙ベースで毎日起票していましたが、それではとても手間がかかり大変でした。書く方もですが、それを見て指示を出す上長も大変。そこで日報を紙ではなくWeb上でやりましょうか、という話になりました。そしてその際に、紙すなわち伝票で行っていた交通費などの経費精算を一緒にできたら便利だということになり、相応しいシステムの検討が始まったわけです。

経営企画局事業統括部/横手部長

幻冬舎MCでは営業訪問時に「本を作りませんか?」というようなアプローチはしない。「社長、課題を解決しましょう。売上を伸ばしましょう」というアプローチをする。そしてそのための方法はいくつかあると思うが「それを出版物でやりませんか?」という形で本作りの仕事を請け負う。つまり本というメディアを使ったコンサルティングである。

通常の出版社は「企画ありき」でスタートして本を作るが、幻冬舎MCの場合は「課題、問題ありき」で「それらを解決するために何かできることはないか」という提案になる。例えばITシステムベンダーが各種ソリューションを活用して顧客の課題を解決するのと同じ構造である。だから「日報と経費精算を同時処理」といった管理的なことも、ソリューションの発想で行われている。

POWER EGG 検討経緯と稼働状況

1.ワークフローが使えるシステムが望ましい

日報作成と経費精算を同時に処理したい、という要望を提示して富士通マーケティング(以下「FJM」と記す)を含め数社に打診が行われ、提案を受けた。その際FJMから紹介されたのがPOWER EGGである。前述したように同社では、スケジューラは既存のグループウェアを使っており、最終的に既存のグループウェアとPOWER EGGのどちらを選ぼうかという話になった。検討窓口になったのは横手部長、井田係長たち経営企画のメンバーである。

経営企画部/井田係長:結局、従来のグループウェアでは日報作成や経費精算などワークフローが難しそうだということになり、そこでワークフローが強いPOWER EGGを選ぶことにしました。

2.朝のスタートは「スケジュール確認」と「上長からのコメントへの返信」

POWER EGGの稼働開始は2012年10月から。営業、編集担当など65ライセンス、全社一斉に使い出した。

井田係長:導入時教育は行いました。朝礼の際に幻冬舎MCの担当に業務フローに沿ったマニュアルを作って指導しました。

皆、出社したらまずスケジュールやアシストメッセージのチェックを行う。そしてその後のアクションは担当業務ごとに異なる。営業は商談に外出、編集担当は打ち合わせ外出や社内業務などである。
日報は、それぞれの人が職責に応じて「営業活動報告」「編集作業報告」などを入力する。これを「当日の内に申請する」というルールになっている。そして、上長が決裁する時に「コメント」を入れることも多い。だから、朝出社すると、前日の上長からのコメントに返信するというのがよく見かけられる光景だという。

横手部長:POWER EGGへの馴染み具合ですか?そうですね、もうみんな馴れています。運用上で何か指示しなきゃならないとか、操作ができないとかっていうことはないですね。例えば新しく入って来た人でも社員間で情報共有できているので、その日の内から普通に使えている。そういう面ではずいぶん浸透していますね。

主な業務処理のご紹介
入力フォーマットに使いやすい工夫を

1.日報作成と経費精算

例えば営業担当は、顧客見込みリストなどに基づいて企業や事業者に営業アプローチを行う。そしてその報告を「日報」フォーマットに従って1件1件「何処の会社へ行ったか」など、営業担当ごとに設けられた目標などに対する「数字的な報告」や「業務内容」を入力する。またより細かい内容は《業務報告》にリンクを張り、詳細はこちらで確認できるようにする。
この日報入力フォーマットに同社独自の工夫が凝らされている。元々の狙いが「日報作成と経費精算」の即日同時処理にあるので、担当者が入力しやすいフォーマットに工夫されている。
例えば「アポ速報」。数字的な報告が入力しやすくなっている。「交通費や経費」の欄も入力しやすい。さらに「関連情報URL」で、当該案件と紐付いている詳しい《業務報告》が見られるようになっている。

井田係長:POWER EGGには元々備わっている機能として恐らく経費申請や交通費申請のフォーマットがあると思います。しかしそれだと、上長の方でその担当者の業務日報にあたる部分が確認できません。そこでフォーマットの上の部分に、営業担当であれば例えば《1日何件電話を掛けました》《そのうち何件アポイントが取れました》といった営業日報を入力できる欄を作り、その下に「交通費申請の欄」を設け、さらにその下に「経費の申請欄」を設定する。こうすると上長は1枚の業務日報の中で該当担当者の1日の全ての動きがわかるわけです。また当該案件に紐付く顧客情報や、より詳細の業務報告は関連情報URLからのリンクで見ることができます。またこの業務報告から、その人のスケジュールにも飛べます。ですから《スケジュール》《CRMの業務報告》さらに《その人の1日の報告事項(日報)》がすべて循環して見られるようになっています。

営業担当者の場合、普段からPCに向かいPOWER EGGを立ち上げてこの《日報/経費精算》フォーマットを使うケースが多い。「業務日報/経費精算/業務報告」の一式が一緒に動くフォーマットだから入力しやすい。そして決裁はまず所属長へ行き、そして3〜4段階を経て最終的には社長へ行く案件もある。

横手部長:現在、50名程の社員が利用しています。日報は1人1件、数件の業務報告と合計するとかなりの報告が上がって来ます。私が見る分だけでも1日150件〜200件あります。それをPCもしくはモバイルで決裁します。それぞれの日報が上がって来る時間帯も異なります。だから私の場合は、帰宅して自宅のPCで決裁することも珍しくない。久保田社長は《幻冬舎MC》と別会社の《幻冬舎総合財産コンサルティング》の分の決裁も行くので、もっと多量の決裁を行っておられます。以前はこれが全部紙だったから今は格段に楽になりました。

井田係長:営業担当者にとっては、日報を作成するという作業がそもそも面倒に感じるので楽になった実感はないかもしれません。しかし、紙で起票することを考えると断然楽になります。また経費の精算も以前は毎月、月末・月初に紙ベースで起票して月末に集中していたものが、日報と共にそのつど精算申請するので処理が滞ることがない。この点も評価されています。

2.その他の業務処理

1)汎用申請ワークフローの活用

汎用申請ワークフローを活用する業務処理としては《【契約書】作成・捺印申請(入力)》や《見積・企画明細・請求(入力)》などがある。いずれもフォーマットが使いやすく工夫されている。こうした契約関係や見積・請求関係は経営企画などが使うケースが多い。顧客ごとに案件管理され、その「契約書稟議」をワークフローで回し「請求書作成」「支払い処理」も行う。
《慶弔連絡・申請(入力)》のフォーマットも使いやすく工夫されている。お祝い事であれば、例えば「結婚」を選ぶと推奨すべき「祝電の画像と金額」が出るようになり、「金額」を選ばせて、そうすると予算などが自動で出る。「弔事」を選ばせると同様に「弔電」などが選べ、自動で予算が出るようになっている。

2)Webデータベースの活用

前出のフォーマットの契約管理などはWebデータベースに蓄積されている。

横手部長:契約管理データベースを蓄積して閲覧できるようにすることで、例えば同じ顧客との契約の場合に"過去の条件はどうだったか?"などがすぐに確かめられます。また同じ会社じゃなくても、似たような案件があって "あの案件の原価どうだったか?"などを確かめることがあるので、きちっとしたデータを残しておくことは意味があります。担当変更の場合の業務引継にも役立ちますね。

このデータベースは、営業や編集の担当者が見られる項目とは別に経営企画担当しか見られない契約管理用の項目を設けてあり、それによって契約書の更新期日とか契約期限を管理している。また同じように「債権管理」用の表示画面も作ってあり、こちらで未入金案件なども管理できるようになっている。

3)POWER EGG クラウドの活用

横手部長:そうですね。社外(携帯とか自宅から)でも利用者・決裁者が使えるようにというのが前提でしたから、クラウドが使えることは導入時の条件です。今のところ、全く不都合はないです。どこでも使えるようになっています。以前は、日報が紙ベースで回ってきて誰かの机の上で停まっていると上へ回って来ないことがありました。伝票も同じですね。その点クラウドを利用すればそういうこともない。自分が外に出ていても決裁処理を滞らせることはないですね。

井田係長:弊社は名古屋と大阪に支社があります。そうした支社の日報は今まで支社単位で見ており、本社の代表が見る機会はなかったのです。それが今ではクラウドにより本社・支社間の壁がなくなりました。タイムラグもなく同じ処理だから、本社・支社は関係ない。本社・支社の壁を乗り越えて情報共有できる環境になっていますね。

導入・稼働後の評価と今後の展望

1.管理精度が向上
― 月末・月初の伝票の山は過去のこと

以前は月末・月初の経費精算に、大変手間暇がかかっていた。担当者も月末にまとめて交通費を手書きで起票しあたふたと処理していたが、今は《経費精算》が毎日、その日の内に処理されるわけだから楽になっている。当然管理者も、以前の紙(伝票)ベースに較べ今の方が格段に楽になった。以前は月末に溜まる伝票が高さ15cmぐらいにまでなったという。それが今はもう過去のこと。月末月初に集中的に「担当者が起票する手間がない」し、「管理者が確認する手間がない」。日報と共にきちんと処理されているから「誰の伝票が出てない」「誰の伝票が間違っている」「起票内容を修正させろ」などの面倒が全くない。問題があればその日の内に分かるし、集計して若干エラーが出ていればそれはそれで一覧ですぐ問題点が見つかるという。

井田係長:確かに担当者にとっては日々の処理は面倒かもしれませんが、以前だと自分のスケジューラを遡って確認しながら"月末に当月1日の伝票を起こす"ことも珍しくなかった。それを考えると今は手間が減り、月次の締めも早くなり経費管理の精度も高まりましたね。効果は大きいと思います。

従来のように紙ベースで経費精算を月末にやっていたら、半日はかかっていた。月末が終わって翌営業日、もしくは翌々営業日が伝票締め切り日だとすると、月初は半日ぐらい伝票を書くために時間を使っていた人がいた。今はそういう時間の使い方はなくなったとのことだ。もちろん、紙に付きまとう「紛失」という心配もなくなり管理精度が向上している。

2.日報作成・日々チェックで指示が的確化

日報がタイムリーに出てくることによって、上長からの指示も的確に出せるようになった。

横手部長:弊社はいま、どんどん人が増えています。人が増えると報告も増えます。もし紙のままだと大変です。1人の営業が平均1日3〜4社訪問します。だから1つの日報に3〜4社分の個別業務報告が付いて来ます。電話アポ取りの報告などもあり、1人あたり5件くらいの報告が上がって来るので、今の勢いだとすぐ1日200件くらいになります。それらをチェックして上席者は"次の攻め方""次の適切な指示"を出す。コメント機能などが使えることでかなり楽になっていますよね。

営業だけではない。編集も同様である。日報により、案件ごとの進捗状況が個別に上がって来るので、「何かこれは問題がありそうだぞ」なんて時に早めに問題を事前共有できる(リスク管理)。問題が起きてからリスクに気づくのではなく、問題が起きる前にリスクを予測できるから「次のステップは誰と誰で担当して行くように」などの適切な指示が先回りで出せるのである。

3.経営層の評価と今後の展望

「久保田社長は常に向上を図り、新しい価値を求めて行くタイプなので、POWER EGGを評価はしているがこれで完結しているという認識ではない。とはいえコメントなども細かく入れやすいのできっとかなり満足されていると思う」と横手部長。 久保田社長から見たら、社長以下全員がコメントの対象者だが、実際には社長が1案件ごとに首を突っ込むことはないので、逆に言えば下から具体的に上がって来ないと現場が見えない。その点今は「情報が一覧でき」「個々の動きが見える」「自分のコメントを入れられる」ので評価は良い。

横手部長:導入以前、紙で処理していた時は決裁案件書類がバインダーでまとめられ、スーパーの買い物かごに満載で社長の所へ集まっていました。それを社長が1件1件、目を通していたものです。社長のこういう決裁に関わる時間も今は大幅に短縮されていますね。

横手部長は「現状で不都合は特に無い。しかし、来年も再来年も同じ使い方ではなくて、違う使い方や新たな活用法を模索していかなければならない」と言う。
例えば運用面でも、今の1日140件〜150件が、どんどん人が増えて倍の300件になったとしたら、現状のやり方ではダメになる。その時の展開規模に合った、違う方法を考えなければならない。また同社では人が増えつつある中で、いろんな新しい事業へのチャレンジを常に考えている。その中で、新たな使い方を模索することが出て来るので、POWER EGGの更なる機能充実及び有効な活用提案を大いに期待しているとのことである。

導入効果まとめ

ペーパーレス化
  • 日報と経費精算を1枚の申請で実現
  • ワークフローの活用によりペーパーレス化を実現
クラウドによる利便性の向上
  • 本社・支社間の壁がなく、利用・決裁が可能
  • 社外・自宅からでも決裁が可能
管理業務の平準化と精度の向上
  • 月末・月初集中から日々経費精算による業務平準化
  • 月次決算の精度向上・早期化
簡単に作れ、セキュアな情報共有ができるWebデータベース
  • 契約管理データベースで活用

企業プロフィール

株式会社幻冬舎メディアコンサルティング様

設立 2005年
本社所在地 東京都渋谷区
資本金 42,250千円
主な業務 出版を通じた企業のブランディング支援/コンサルティング業務
  • 企業データは2014年2月時点

導入時期・その他

POWER EGG 導入時期
2012年10月
POWER EGG クラウド導入
稼働ライセンス数 65ライセンス
稼働機能 グループウェア/ワークフロー/Webデータベース
利用者(利用部門) ・営業担当・編集担当など全社員
・関連会社(株)幻冬舎総合財産コンサルティング(2012年設立)でも稼働中
取材ご協力者 経営企画局事業統括部/部長  横手 進  様
経営企画部/係長       井田 枝里 様