導入事例

富士通Japan株式会社 様(旧富士通マーケティング)

「IT部門ではなく、総務部門の主導で
導入したワークフローシステムです」

株式会社富士通マーケティングは、2020年10月1日に新会社「富士通Japan株式会社」として再編されました。文中に記載された会社名等の情報は取材当時のものです。
富士通グループの中核会社として、日本の成長と安定を支えるお客さまの活動をICTソリューションの提供を通じて支援している富士通マーケティング。
同社では、全社横断の働き方改革プロジェクトを通じて、POWER EGGの汎用申請ワークフローを導入しました。
導入の狙いや導入前後で見えてきた効果などについて、総務部 村林 良則氏、中山 徹大氏にお話しを伺いました。

背景・課題

稟議書は紙を用いていたので決裁までに時間を要していた

決裁までの進捗がみえないため、総務部門での問合せ対応など業務が煩雑になっていた

既存システムでは階層や決裁ルートの設定に制約があった

導入効果

稟議書を電子化したことで決裁時間の大幅な短縮が実現した

紙の紛失リスクやメールの見逃しがなくなり、申請状況の見える化が進んだ

・申請書類の一元管理が進み、過去の資料検索にかかる業務時間が削減された

汎用申請ワークフローを導入、決裁期間の大幅短縮へ

今回、導入した製品・サービスを教えてください。

POWER EGGの汎用申請ワークフロー機能を導入しました。従来のワークフローシステムでは実現できなかった稟議を電子化するとともに、各種申請の電子化も進み、現在では全社員が使うシステムとなっています。

導入後の効果はいかがでしたか。

2018年4月に導入して以来、今では110種以上の申請書類を電子化し、全社的にPOWER EGGの汎用申請ワークフローが浸透していると実感しています。導入当初こそ「POWER EGGって何ですか」と質問を受けるような状況もありましたが、いまでは全国で3000人を超える社員が申請業務に利活用しています。

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導入前後では、次のような変化が起こりました。

稟議書の電子化を実現し、決裁期間も大幅に短縮

まず、旧来のシステムでは稟議書の電子化が実現できなかったので、紙を使って回送していました。承認のあらゆる段階で滞留しがちでしたし、全国拠点から本社への郵送などの手間もありましたので、決裁期間は平均18日を要していました。現在では、こうした物理的な障壁が取り除かれたことで、平均8日へと大幅に決裁時間が短縮されました。
特に、遠隔地からの起案については、紙を移動させるコストや時間も節約できたと実感しています。

承認状況の見える化

紙の稟議書では、起案者の手を離れた後の追跡が大変でした。今では進捗状況がすぐに把握できます。審議者も稟議書を自分のところで止めていると、それがすべての関係者に分かってしまうプレッシャーがかかります。自ずとスピーディーに判断が下るようになりましたね。

複数人同時回送による承認時間の削減

総務、経理、購買の3部長の承認が必要な申請では、それぞれの部門の目線で精査するためどうしても時間がかかっていました。紙のときは、順番に書類が回覧されていくのを待つのみでしたが、POWER EGG導入後は複数人に向けた同時回送が可能になりました。意志決定の迅速化に貢献している部分だと思います。

一元管理による安全性と業務効率の向上

POWER EGGでの申請が定着したことで、申請書類の一元管理が可能になりました。紛失のリスクも無くなりましたし、紙をスキャンして保存する手間も省けました。申請時にもコメント機能で関係者から素早く意見を集約できますし、そうした意見もデータとして蓄積されるので、過去の類似申請を調べるときに役立つといった効果も見受けられます。

導入の背景は全社での働き方改革から

POWER EGGを導入した背景をお聞かせください。

総務部 村林 良則氏

当社では、2016年から「Vision2020」というビジョン経営に取り組んでいるのですが、コーポレート部門が掲げた施策が働き方改革の推進でした。その中で各種制度やシステムの見直しを行ってきた背景があります。
私たち総務部門が主に取り組んだのは、「働く環境の整備」です。社内では「お仕事さくさくプロジェクト」と名付け、具体的な施策として「会議スタイルの革新」「ペーパーレスオフィス化」「サテライトオフィス(テレワーク環境)の実現」とあわせて取り組んだのが、申請ワークフロー電子化推進による業務効率化だったのです。

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申請ワークフローの電子化を具体的な施策として位置付けたのはどうしてですか。

冒頭にも申し上げましたが、稟議書をはじめとする多くの申請を紙で行っていたため、業務のムダが大きいと感じていました。申請ワークフローを電子化すれば、拠点や働く場所を問わずにできる仕事が確実に増えます。
これはペーパーレス化やサテライトオフィスの活用といった施策にもマッチしていて、推進する意義があったのです。総務部門が掲げた、多様な働き方を推し進める上でも理にかなった施策でした。
旧来使っていたワークフローシステムでは、システムの制約上、決裁ルートが固定されてしまい、差し戻しなどの処理も柔軟に行えませんでした。さらに、システム自体のレスポンスが遅いことも利用者にとってストレスになっていました。こうした課題意識から、まずはシステムの制約で作成できていなかった稟議書が電子化できるシステムを探し始めたというわけです。

システム選定が総務に委ねられた

その後、選定や導入はどのように進められたのですか。

総務部 中山 徹大氏

実は、総務部で選定から導入までを推進することになりました。当社にも当然IT部門がありますが、どちらかといえば、富士通グループ全体の基幹システムやインフラとの連動など、全社規模のIT運用が主な業務となっています。今回は、総務部門が推進する個別システムということもあり、総務部門が主導して実施することになりました。
とはいえ、総務部門の社員のほとんどがITシステムを自ら導入した経験はありません。IT部門と相談をしながらではありましたが、総務部数名で3000名規模が使用するシステムの選定から導入・運用まで行うのは、正直なところ荷が重い話ではありました。

業務部門主導での導入は珍しいですね。その中で新しいシステムに求めた要件を教えてください。

まず、運用保守のことが頭にありました。いくらICTソリューションを売り物とする会社とはいえ、総務部門の社員が新たにサーバーを導入して、自分たちで運用管理をするまでの経験もノウハウもありません。そこで、導入の障壁が低く、保守サービスもあるクラウド型サービスを前提とし、以下のような要件をふまえて選定しました。

  1. いつでもどこでも申請・決裁できる
  2. 手続きが簡素化できる
  3. 意思決定を迅速にできる仕組み
  4. 申請フォームの作成が手軽に行える

オンプレミスだけでなく、クラウド版もあるPOWER EGGが候補になった理由がわかりました。そこから決定まではどういう経緯だったのですか。

要件に照らし合わせて、3製品をピックアップし、デモを見せてもらうというような形で検討をはじめました。トライアル版を使わせていただいたりもして、本当に自分たちで手軽に申請書が作成できるかといったことも試しました。結果的に、クラウドで管理の手間が省け、申請フォームが簡単に作成できるPOWER EGGを導入することにしました。

ありがとうございます。 導入後の運用はスムーズに行えていますか。

特に面倒な設定も必要なく、順調に稼働しています。以前のワークフローシステムで利用していた申請様式もIT部門と連携しながらPOWER EGGに移行できました。

機能単位で部分導入ができるのも魅力

POWER EGGへの評価はいかがですか。

POWER EGGは、今回の汎用申請ワークフロー機能だけでなく、5つの機能をもった統合型の業務システムだと聞いていますが、私たちのように必要な機能に絞って安価に導入できるのは魅力的だと感じました。
サポートやヘルプデスクも対応がスピーディーで安心感があります。ただ、POWER EGGがいくら使いやすいとはいえ、個人のリテラシーによって活用に差が出てしまいます。そうしたギャップを埋めるための構築支援サービスがあれば、お願いしたいと思っています。

POWER EGGの先輩ユーザーとして、ワークフローの導入を検討している企業に向けたアドバイスをお願いします。

昨今、話題になっている働き方改革のような施策では、総務部のようなコーポレート部門が関わるのですが、従来のように制度だけを整備するのでは限界があります。やはりシステムなど環境整備もあわせて実施しなければなりません。今回助かったのは、私たちのような総務部門でも導入できるシステムに出会えたことです。クラウドで手軽で簡単に利用できるPOWER EGGは、我々が求めるシステム像にぴったり合致していました。
特に中堅・中小企業の皆様は、情報システム部門の人手不足などによって、従来型のオンプレミスでのアプリケーション運用が難しくなっているのではないでしょうか。そのような状況でも、POWER EGGは強い味方になってくれると思います。

ありがとうございます。今後の展望や私どもへの要望をお聞かせくださいますか。

そうですね。まず、電子化を通じて紙への束縛がなくなれば、時間や場所を問わない働き方が推進できると実感できました。出張先やサテライトオフィスでの業務、それからテレワークの可能性も開けてきます。そうした意味では、我々が推進する働き方改革にむけて少しずつですが、着実に前進していると考えています。
一方で、コメント登録時にメール通知ができないなど通知機能に一部制約があり、個別に社内メールやインスタントメッセンジャーでやり取りしている場面があります。このあたりは今後の改善をディサークルさんにお願いしたいところですね。引き続き、色々とご支援いただければと思います。

企業プロフィール

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富士通グループの中核会社として、日本の成長と安定を支えるお客さまの活動をICTソリューションの提供を通じて支援。「Best Solution & Best Partner」をコーポレートメッセージに、コンサルティングからシステム構築、ソフト開発、運用支援、保守、サポート、工事、教育までのトータルソリューションをワンストップで提供しています。富士通グループが持つ先進技術をベースに長年培ってきた経験を活かして、全国およそ60拠点に在籍する営業、技術スタッフが各地域のパートナー企業と連携し、お客さまのICTニーズにお応えする活動に日々取り組んでいます。

名称 株式会社富士通マーケティング
本店 〒108-6207
東京都港区港南2-15-3 品川インターシティC棟
設立 1947年4月23日
資本金 122億2,000万円
従業員数 連結:3,289名(2019年3月末)
事業内容

●コンサルティングから機器販売、ソフトウェア開発、設置工事、保守までの一貫したサービスの提供

●民需市場向け商品の企画、開発・販売パートナー支援

取材:2019年7月