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FIT大阪2023講演レポート

「POWER EGGを利用したDX取り組み内容」(前編)

グループウェアの刷新を機に、業務フローを見直しDX推進へと舵を切った東海労働金庫様。POWER EGG導入からこれまでを振り返りながら、どのように活用してきたのかをFIT大阪2023のセミナーにて語っていただきました。前編では、導入のきっかけから、業務のDX化を進めるにあたりどのように情報連携のあり方を見直したかについてお届けします。

※本レポートに掲載されている情報は、ご講演いただいた当時のものです。また、レポートにまとめるにあたって、加筆・修正をしております。

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<講演者>
 東海労働金庫
 業務部 システム統制グループ
 次長 小籔 弘道 様

東海労働金庫について

本日は、「POWER EGGを利用したDX取り組み内容」と題しまして、お話しできればと思います。よろしくお願いいたします。

まずは、東海労働金庫について簡単にご説明します。1952年に設立、2000年に愛知、岐阜、三重の労働金庫が合併して、現在に至ります。役職員は676名、関連会社や派遣職員の方を含めると約1000人が在職し、POWER EGGのユーザー数は1200で運用しております。

預金規模は2兆1000億円、融資は1兆6000億円くらいでして、上位100番前後の規模の金融機関ということを念頭に、今回のお話を聞いていただければと思います。

導入背景
PC更改を機に業務環境を見直し

導入の背景ですが、2020年にWindows 7のサポート終了に伴いWindows 10への更改を進めており、それまで使っていたグループウェアもバージョンアップが必要になりました。そこで、そもそものところに立ち返って業務環境を見直すことになり、ゼロベースでグループウェアの選定をはじめたという流れになります。

選定のポイントは2点あります。1点目は基本機能の使いやすさ、例えばメールや作業依頼など各機能の使い勝手が良いかというところです。2点目は情報連携の円滑化、例えば本部と営業店との情報連携など、いままで以上に円滑にできるかというところです。

従来のグループウェアでも稟議や一部の報告などはすでに電子化されていたのですが、その種類を増やそうとしたときに工数がかかっていたため、もっと柔軟に現場で運用できないかということを考えました。

そのあたりを総合的に判断し、1番使い勝手が良かったのがPOWER EGGでした。

導入効果
情報連携のありたい姿から逆算

さて、POWER EGG Webデータベースを活用することで、どのように業務が変わるのか、どのように効率化されるのかをまとめた図が次の図となります。

1番上はアナログ、紙書類のワークフローです。例えば営業店から本部に情報を渡す必要が出た場合、従来はまず紙の書類を印刷して、物理的に郵送するところからスタートします。本部で受け取った書類は手作業で電子データとして入力し、各店舗の情報を一覧化、それを集計して中間ファイルを作成し、そこに別の参照データをくっつけて、最終的なアウトプットになるわけです。かなりの手数が必要で、それらを一つずつ進める、いわば、各駅停車のようなスピード感で業務を進めていくことになります。

次の電子化の段階になると、紙書類をスキャンしてPDFデータで送ることで、物理的な輸送の時間を減らします。ただ、受け取ったファイルは画像イメージに過ぎないので、データ入力をするところからの作業は、アナログの時とさほど変わらないわけです。輸送の部分はだいぶ早くなりますので、急行電車といったところでしょうか。

続きまして、デジタル化の段階です。これは最初から営業店側でEXCELなどに入力をしてもらい、その電子ファイルを送ってもらうという方式です。本部では入力の手間は省けますが、集計や参照などを手作業で行うことには変わりません。それでもアナログのころから比べると大幅にスピードアップというところで、新幹線のような形ですね。

そして、その先にあるのが、我々がDXと定義している世界観で、営業店に直接、POWER EGGのWebデータベースに入力してもらい、集計なども自動化されるという流れです。途中のいろいろな手間が省けて、一気に最終データが得られるということで、飛行機のように業務スピードが加速するイメージです。

ただ、既存業務のままデータベース化してしまうと、ただEXCELを置き換えただけのデータベースになってしまい、中間ファイルが残ってしまいます。このように最終ファイルから逆算して、業務フロー自体も見直していかないと、なかなかうまくいかないわけです。

Webデータベース化の具体的な例として、共済業務の受付書類取り扱いで説明します。従来の業務フローでは、1日に集まった納付書とお金を営業店ごとに集計し、各地区の取りまとめ店に紙で送っていました。これを受け取った取りまとめ店はデータ化し、集計をして、最終的な報告書の形にして保険会社と本部に納めるということをやっていました。それが各営業店にWebデータベースに入力してもらうだけで、最終の報告書がワンクリックでできあがります。これまで取りまとめ店でやっていた業務が、ごっそりと減らせるのです。加えて本部側もリアルタイムで参照でき、月1回しか得られなかった情報がいつでもチェックできるようになりました。

次に具体的な導入効果ですが、これはPOWER EGG全体ではなく、Webデータベースの導入効果だけになります。導入初年度の2020年度に800時間の業務時間削減、紙も1万8000枚ほど削減できました。管理簿もなくなり、メール送信もなくなり、送付書もなくなりといった具合に、どんどんムダな業務が淘汰されていき、2年目にはさらに900時間弱の時間と2万枚以上の紙の削減につながりました。

(後編に続く)

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